私はきのう都心のホテルに宿泊。
きょうは丸1日、内幸町のみずほ総合研究所で「提案営業セミナー」の講師を務めている。
不況下、幸いにも盛況。
多くの受講者に感謝したい。
このブログがアップする頃は、真っ最中。
きょうも過去の「カンブリア宮殿」から、私の印象に強く残っている企業を再び取りあげる。
もともと“ながら視聴”。
時間が経過して記憶がさらに曖昧になっており、お許しいただきたい。
カンブリア宮殿にゲストとして登場した玉子屋の菅原勇継会長、ユザワヤの畑中利元会長。
両社は、蒲田に本社を置く企業だ。
この辺りは、洗練と程遠い実直さ、つまり「愚直さ」を残す。。
街全体に人の温もりがにじみ出ている。
両社は、世の中に幸せを届けることを喜びとする“正直企業”である。
こうした職場で働く従業員も幸せに満ちている。
いわばカマタオーラを発する。
まずは、玉子屋の特集番組。
過去最大のインパクト!
場違いの雰囲気を漂わせた人物がゲストとして座っていたからだ。
これが創業者の菅原勇継会長。
私はところどころで仕事の手を止めてしまった。
とにかく面白い。
そして刺激が強い。
思わず引きずり込まれた。
ここは1日1メニューで勝負する。
次いで、ユザワヤの特集番組。
「一人でも欲する客がいるなら、たとえ売れない商品でも置く」。
そう語ったのは創業者の畑中利元会長。
「趣味の店」という特性があるにしろ、それを貫くには信念が欠かせない。
流通はどこでも坪単価に神経を尖らせている。
ここは豊富な品揃えで勝負する。
商品に関して述べれば、絞り込みを追求する玉子屋に対し、多様性を追求するユザワヤ。
両社は正反対を向いているように見える。
が、共通するのは経営の根幹に徹底した「顧客志向」の思想を据えること。
ベネフィット向上のため、妥協を許さず、限界に挑んでいる。
私は商売の原点を再認識させられた。
顧客への良識がビジネスの常識を超えたという点において、両社は“異色企業”といえるだろう。
こうした会社が行き詰まる経済を元気にする。
◇◆◇
以下に、「玉子屋・菅原会長…カンブリア宮殿」と題する2010年1月12日のブログを収める。
昨夜のカンブリア宮殿は、玉子屋の菅原勇継会長が登場した。
強面(こわもて)。
インパクトが凄い。
玉子屋は大手企業などへの仕出し弁当の会社らしい。
個人商店、零細企業の私は縁がなく、同社の名前も存在も知らなかった。
玉子から生まれるヒヨコをマークにしている。
これも会長の考案(デザイン)。
1日(恐らく平日)7万食というから半端な数量でない。
しかも、メニューは1種類。
絶対の自信を持っているのだ。
7万人が同じ弁当を食べている。
注文は、当日午前9時〜10時の受け付け。
12時までに届けてくれて、一人前 430円。
昼食時に混雑を覚悟しなければならないオフィス街の会社員にとり、とくにありがたい。
弁当は、顧客の満足度が高い。
玉子屋は、社員が元ワルばかりという異色の職場であり、国内はもとより海外からも視察が入る。
いくつも面白い話を聞けたが、「人材は養殖でなく天然に限る」という件はなるほどと思った。
会長には、学校や塾などで飼い馴らされた優等生は好奇心や挑戦魂を失っているように映る。
上から言われたことをそつなくこなす社員になりがちだ。
会長は「うちでは評価しない」と言い切った。
痛快だ。
会長は毎日、お客さまと同じ時間に同じ弁当を食べる。
そして、何を食べたいか、客観的な研究を加えながらメニューを決めている。
とにかく熱心。
食材にこだわり、調理にこだわるから、原価率が非常に高い。
それでも、しっかりとした業績を挙げている。
立派だ。
また、弁当の廃棄率がコンビニエンスストアなどと比べて圧倒的に低いのも、大変な経営努力の証だろう。
私は子どもの頃、貧農育ちの父から「ご飯を粗末にするな」と言われつづけた。
食べ物を捨てることに対し、強い嫌悪感を持っている。
しかし、食品業者が廃棄量を減らすことは、実際にはきわめて難しいはずだ。
玉子屋に大きな拍手を送ろう。
◇
私は菅原会長のように腕力に自信もなければ、ワルを受け入れる度量もない。
が、若い頃に社会からドロップアウトした人間であることは確か。
日本は閉塞し切っている。
こうした時代に風穴を開け、元気を呼び覚ますのは、いつだってアウトローである。
玉子屋と社員のさらなる活躍を望む。
カンブリア宮殿は毎回何かしら学ぶところがある。
今回はそれに加え、素晴らしい「爽快感」を味わえた。
村上龍と番組スタッフにも感謝したい。
◇◆◇
以下に、「ユザワヤと玉子屋…蒲田の正直者」と題する2010年2月9日のブログを収める。
私はテレビ東京の「カンブリア宮殿」をつけるようにしている。
といっても、おもに音声を聞き、まれに映像を見るくらい。
学ぶところが多く、お気に入り。
番組の企画も手掛けるホストの村上龍が「正直者はバカを見ない特集」をやりたいという。
昨日、ゲストとしてユザワヤの畑中利元会長が登場した。
創業54年、手芸用品・生地・ホビー材料の大型専門店を展開している。
売れない商品まで陳列しており、品揃えの豊富さで圧倒している。
70万アイテム。
さらに、つくり方の店頭無料講習会を開き、手づくり専門のカルチャースクール「ユザワヤ芸術学院」を営むなど、楽しさの啓蒙と手法・技術の普及に努めている。
自前でファンを育てているのだ。
まさに「手作りの殿堂」といえる。
ユザワヤには年間2千万人が訪れるというから、驚きだ。
番組では、世界最大級のホビーハウスの経営哲学が紹介され、人気の秘密が解き明かされた。
消費不況のなか、既成の衣料に演出を施す「プチデコレーション」が注目を集めている。
ユザワヤはそのブームを支える。
ユニクロの大衆衣料もちょっとした工夫と手間で、世界に一着のオリジナルに変わる。
単なる節約でなく、自分らしさの表現なのだ。
また、ユザワヤは「現金仕入れ・返品なし」を貫き、業者に優しい。
私は思い出した。
この特集でないが、以前、玉子屋の菅原勇継会長が番組に登場した。
実は、ユザワヤも玉子屋も蒲田駅近くの会社である。
両社に共通するのは、泥臭いほど徹底した顧客目線。
「正直」をとことん大切にする企業だ。
蒲田は、下町のよさを色濃く残す土地柄といえよう。
駅の周辺を散策すれば、すぐに分かる。
両会長からにじみ出るのは、人間的な温もり。
名付けて「カマタオーラ」。
顧客はもとより、従業員と取引先を大切にし、長い時間をかけて信頼を育んできた。
ユザワヤと玉子屋は社会に幸福を届ける企業である。
◇◆◇
⇒2010年1月12日「玉子屋・菅原会長…カンブリア宮殿」はこちら。
⇒2010年2月9日「ユザワヤと玉子屋…蒲田の正直者」はこちら。
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不況下、幸いにも盛況。
多くの受講者に感謝したい。
このブログがアップする頃は、真っ最中。
きょうも過去の「カンブリア宮殿」から、私の印象に強く残っている企業を再び取りあげる。
もともと“ながら視聴”。
時間が経過して記憶がさらに曖昧になっており、お許しいただきたい。
カンブリア宮殿にゲストとして登場した玉子屋の菅原勇継会長、ユザワヤの畑中利元会長。
両社は、蒲田に本社を置く企業だ。
この辺りは、洗練と程遠い実直さ、つまり「愚直さ」を残す。。
街全体に人の温もりがにじみ出ている。
両社は、世の中に幸せを届けることを喜びとする“正直企業”である。
こうした職場で働く従業員も幸せに満ちている。
いわばカマタオーラを発する。
まずは、玉子屋の特集番組。
過去最大のインパクト!
場違いの雰囲気を漂わせた人物がゲストとして座っていたからだ。
これが創業者の菅原勇継会長。
私はところどころで仕事の手を止めてしまった。
とにかく面白い。
そして刺激が強い。
思わず引きずり込まれた。
ここは1日1メニューで勝負する。
次いで、ユザワヤの特集番組。
「一人でも欲する客がいるなら、たとえ売れない商品でも置く」。
そう語ったのは創業者の畑中利元会長。
「趣味の店」という特性があるにしろ、それを貫くには信念が欠かせない。
流通はどこでも坪単価に神経を尖らせている。
ここは豊富な品揃えで勝負する。
商品に関して述べれば、絞り込みを追求する玉子屋に対し、多様性を追求するユザワヤ。
両社は正反対を向いているように見える。
が、共通するのは経営の根幹に徹底した「顧客志向」の思想を据えること。
ベネフィット向上のため、妥協を許さず、限界に挑んでいる。
私は商売の原点を再認識させられた。
顧客への良識がビジネスの常識を超えたという点において、両社は“異色企業”といえるだろう。
こうした会社が行き詰まる経済を元気にする。
◇◆◇
以下に、「玉子屋・菅原会長…カンブリア宮殿」と題する2010年1月12日のブログを収める。
昨夜のカンブリア宮殿は、玉子屋の菅原勇継会長が登場した。
強面(こわもて)。
インパクトが凄い。
玉子屋は大手企業などへの仕出し弁当の会社らしい。
個人商店、零細企業の私は縁がなく、同社の名前も存在も知らなかった。
玉子から生まれるヒヨコをマークにしている。
これも会長の考案(デザイン)。
1日(恐らく平日)7万食というから半端な数量でない。
しかも、メニューは1種類。
絶対の自信を持っているのだ。
7万人が同じ弁当を食べている。
注文は、当日午前9時〜10時の受け付け。
12時までに届けてくれて、一人前 430円。
昼食時に混雑を覚悟しなければならないオフィス街の会社員にとり、とくにありがたい。
弁当は、顧客の満足度が高い。
玉子屋は、社員が元ワルばかりという異色の職場であり、国内はもとより海外からも視察が入る。
いくつも面白い話を聞けたが、「人材は養殖でなく天然に限る」という件はなるほどと思った。
会長には、学校や塾などで飼い馴らされた優等生は好奇心や挑戦魂を失っているように映る。
上から言われたことをそつなくこなす社員になりがちだ。
会長は「うちでは評価しない」と言い切った。
痛快だ。
会長は毎日、お客さまと同じ時間に同じ弁当を食べる。
そして、何を食べたいか、客観的な研究を加えながらメニューを決めている。
とにかく熱心。
食材にこだわり、調理にこだわるから、原価率が非常に高い。
それでも、しっかりとした業績を挙げている。
立派だ。
また、弁当の廃棄率がコンビニエンスストアなどと比べて圧倒的に低いのも、大変な経営努力の証だろう。
私は子どもの頃、貧農育ちの父から「ご飯を粗末にするな」と言われつづけた。
食べ物を捨てることに対し、強い嫌悪感を持っている。
しかし、食品業者が廃棄量を減らすことは、実際にはきわめて難しいはずだ。
玉子屋に大きな拍手を送ろう。
◇
私は菅原会長のように腕力に自信もなければ、ワルを受け入れる度量もない。
が、若い頃に社会からドロップアウトした人間であることは確か。
日本は閉塞し切っている。
こうした時代に風穴を開け、元気を呼び覚ますのは、いつだってアウトローである。
玉子屋と社員のさらなる活躍を望む。
カンブリア宮殿は毎回何かしら学ぶところがある。
今回はそれに加え、素晴らしい「爽快感」を味わえた。
村上龍と番組スタッフにも感謝したい。
◇◆◇
以下に、「ユザワヤと玉子屋…蒲田の正直者」と題する2010年2月9日のブログを収める。
私はテレビ東京の「カンブリア宮殿」をつけるようにしている。
といっても、おもに音声を聞き、まれに映像を見るくらい。
学ぶところが多く、お気に入り。
番組の企画も手掛けるホストの村上龍が「正直者はバカを見ない特集」をやりたいという。
昨日、ゲストとしてユザワヤの畑中利元会長が登場した。
創業54年、手芸用品・生地・ホビー材料の大型専門店を展開している。
売れない商品まで陳列しており、品揃えの豊富さで圧倒している。
70万アイテム。
さらに、つくり方の店頭無料講習会を開き、手づくり専門のカルチャースクール「ユザワヤ芸術学院」を営むなど、楽しさの啓蒙と手法・技術の普及に努めている。
自前でファンを育てているのだ。
まさに「手作りの殿堂」といえる。
ユザワヤには年間2千万人が訪れるというから、驚きだ。
番組では、世界最大級のホビーハウスの経営哲学が紹介され、人気の秘密が解き明かされた。
消費不況のなか、既成の衣料に演出を施す「プチデコレーション」が注目を集めている。
ユザワヤはそのブームを支える。
ユニクロの大衆衣料もちょっとした工夫と手間で、世界に一着のオリジナルに変わる。
単なる節約でなく、自分らしさの表現なのだ。
また、ユザワヤは「現金仕入れ・返品なし」を貫き、業者に優しい。
私は思い出した。
この特集でないが、以前、玉子屋の菅原勇継会長が番組に登場した。
実は、ユザワヤも玉子屋も蒲田駅近くの会社である。
両社に共通するのは、泥臭いほど徹底した顧客目線。
「正直」をとことん大切にする企業だ。
蒲田は、下町のよさを色濃く残す土地柄といえよう。
駅の周辺を散策すれば、すぐに分かる。
両会長からにじみ出るのは、人間的な温もり。
名付けて「カマタオーラ」。
顧客はもとより、従業員と取引先を大切にし、長い時間をかけて信頼を育んできた。
ユザワヤと玉子屋は社会に幸福を届ける企業である。
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