私は「社長営業講座2…強い会社に変えよ」において、「それなりに売れた時代の常識は、さっぱり売れない時代の非常識でしかない」と断じた。
これを受け、「百万人の営業講座1…目からウロコ」において、営業方法をどう変えるか、具体例を挙げた。
きょうは「百万人の営業講座2…不況が大好き」と題して。
“御用聞き”とおさらばし、景気後退局面でもゆうゆうと売り上げを伸ばす極意を明かそう。
社長、役員、支社支店長、営業部課長、営業所長、営業パーソン、営業支援スタッフ…。
すべての営業関係者必読、目からウロコ、鼻からナミダの「営業入門&基礎講座」である。
前回に述べた要諦のうち、きょう取り上げるのは「要望やニーズに決して応えない」の一点。
これが、引き合いの減少を克服し、潜在ニーズを掘り起こすうえで最重要!
読者が実際をイメージしやすいよう、営業パーソンと顧客の“会話形式”でまとめてみた。
営業活動が顧客の要望やニーズに応えることだと勘違いしていると、経営は悲惨、社長は地獄。
もちろん、要望やニーズなどの「引き合い」がそれなりにある好況期なら回っていく。
ところが、このやり方だと、不況期には回らなくなる。
引き合いが半分に減ると、売り上げが半分に落ちてしまう。
それが現在。
驚くなかれ、顧客の引き合いの増減と、営業担当者の成績の上下がみごとに重なる企業が少なくない。
営業が機能停止!
だから、決して応えない。
では、どうすればよいか?
とても簡単。
顧客の要望やニーズ、つまり引き合い(きっかけ)に対し、「YES」と言わない。
きっかけに「YES」と答えると、直後に想像を絶するひどい事態が起こる。
営業担当者が客先を辞退してしまうのだ(唖然)。
「今晩中に見積書をFAXします」「明後日に見積書をお持ちします」。
いま青ざめている経営トップや営業管理者が多いが、その理由は社員や部下が「YES」と返してきたから。
売り上げを伸ばすコツは、引き合い(きっかけ)をくれた顧客の前から去らないこと。
営業担当者は居座る(「住み込む」とさらに伸びる)。
小学生でも分かる。
私の子どもは5年生だが、「せっかく注文をくれようとしているのに、帰っちゃったら仕事にならないよね」。
やっぱり分かった。
見積書作成という作業を減らし、営業活動という仕事を増やすだけ。
そのためには顧客の要望やニーズに対し、「NO」と発する。
拒むと、腰を据えてやり取りせざるをえず、客先を辞退しなくて済む。
画期的!
将来にわたり引き合いは減少の一途を辿る可能性がある。
したがって、営業担当者がわずかな“きっかけ”を大切にし、大きな“案件”に膨らませる努力が不可欠になる。
私が行う研修は、その技術を叩き込むもの。
つまり、景気に左右されない営業をつくる。
ところが、実際には営業担当者はめったに断らない。
営業の「え」の字も知らない経営トップや営業管理者が「引き合いを拒むなどとんでもない」と考えているせい。
**につける薬はない。
断れば断るほど売り上げは伸びるというのに…。
業績を低下させている張本人は「要望やニーズに応えよ」と御用聞きをつくってきた社長と上司で決まり。
だから、社員と部下を責めたり叱ったりしてはダメ。
悪いのは、アンタ!
◇
さて、OA販社の営業活動について考えてみよう。
営業担当者が幾度も“通う”うちに、社長からきっかけをいただいた。
「カラープリンタを入れたい」。
当然だが、引き合いをもらうことは目的(ゴール)でない。
ここを勘違いすると「見積書」をつくるので、きっかけが減った分だけ売り上げが落ちる。
むろん、それはスタート。
ここからが営業活動、つまり「仕事」である。
まさに腕の見せどころ!
「社長、まだ十分に使えるモノクロのプリンタがあるのに、もったいないですよ」。
探るうち、社長がカラー提案書を出力しようとしていることが分かった。
探るうち、社長が社員に提案営業を実行させようとしていることが分かった。
探るうち、シェアが拮抗していたライバルと3倍の開きがついたことが分かった(3年前は互いに20パーセントだったが、ここは10パーセント落とし、他社は10パーセント上げた)。
探るうち、提案営業を導入したライバルに顧客、それも優良顧客を次々と奪い取られたことが分かった。
結局、社長は自社に「提案営業」を取り入れ、根づかせたかったのだ。
社員が顧客の獲得と収益の向上を力強く図れるように…。
「いまはプリンタ・コピー・ファクス・スキャナの複合機ですよ」。
「営業拠点は首都圏に*箇所でしたね」。
「えっ、データを送信させ、本社で一括出力して配送するつもり?」。
「社長、現実的な話をしませんか」。
「ところで、ノートパソコンは与えていましたっけ」。
「それぞれの拠点にデスクトップパソコンが2〜3台ある?」。
「社長、その状態で提案営業が活発になると本気でお考えですか」。
「ライバルはどうしていますか」。
「分からない? 私のほうで情報が得られるかもしれません。調べてみます」。
「でも、全員に支給しているはずです。間違いない。パソコンも持たせずに、ソリューションが盛んになるなんて考えられませんから…」。
「そうかぁ。う〜ん、やっぱりムリかなぁ」。
「社長、営業社員は何名ですか」。
「百名くらい? ありがとうございます」。
「でも、くらいとは?」。
「分かりました。私のほうで、総務の**部長に正確な人数をお聞きします。よろしいですね」。
「あっ、デジタルカメラが拠点数、要ります。顧客にいわゆるビフォア・アフターを示せますから。提案では欠かせません」。
←応援、よろしく!
「それと、社長、営業日報はどうなっていますか」。
「管理者に任せている? どういうことですか。拠点長の判断?」。
「つまり、拠点によりまちまちですね」。
「この本社はどうしていますか」
「上が熱心? でも全員じゃない?」。
「つまり、担当によりばらばらですね」。
「社長、拠点によりまちまち、担当によりばらばら。それって放任と言うんですよ、まったく」。
「しかも紙? いまどき紙はないでしょう」。
「そうか、一人1台パソコンを与えていないからですね」。
「では、顧客情報や商談履歴はどう残していますか」。
「はあ、各人の頭のなか?」。
「社長、提案営業の成果は上司の関与、とりわけタイムリーな支援にかかっています」。
「案件の進捗に応じて部下へ適切に助言を与えるには、紙ベースでは絶対にムリです」。
「ムリかぁ」。
「当たり前じゃないですか」。
「そうだ、社長、御社が目指すソリューションなら、SFAよりCRMのほうがいいでしょう」。
「SFAって、何だい?」。
「セールス・フォース・オートメーションのことです。ちょっと乱暴な言い方になりますが、電子営業日報だと思ってください」。
「じゃ、CRMって、何だい?」。
「社長、ダメですよ。カレーライスの普通盛りだと思っているでしょう」。
「そんなはずがないだろう」。
「カスタマー・リレーションシップ・マネジメントのことです。電子営業日報ベースで、顧客情報と商談履歴をトータルに管理できるようにしたものです」。
「あっ、社長、ソフトでは情報のセキュリティに関わるものも必須ですね」。
「それと、ビジュアルプレゼンテーションに関わるものも…」。
「そうか、パソコンとCRMの操作研修が欠かせませんね」。
「せっかく導入しても使いこなせなければ意味がない? ありがとうございます」。
「優秀なインストラクターを派遣します」。
「社長、一番肝心なことを伺うのを忘れていました。社員の方々は提案営業をどれくらい分かっていますか」。
「ハードとソフトを取り揃えても成果は上がりません。提案営業はそんなに甘くないですよ」。
「それでは費用がムダになります」。
「どうかご安心ください。当社の社長の知人に提案営業研修の大御所がいまして…。和田創さんと言います」。
「人の顔を見た途端、怒鳴り散らす講師です。私が責任を持ってご紹介します」。
「ちょっと性格が悪そう? いや、めちゃくちゃ悪いです」。
「人間的には思い切り嫌われていますが、営業研修講師としての腕は確かです。うちもコテンパンにやられました…」。
「でも、受講アンケートは飛び抜けた評価でした」。
「どうりで詳しいと思ったよ」。
「もう一つ、大事なことを忘れていました。営業ナレッジの共有。提案営業の成果向上と効率向上の両方が可能になります」。
「こちらは腰を据えて考えてみます」。
「…それにしても、ずいぶん金額がかさみそうだね」。
「社長っ! 本気で勝ち残りを目指していますかっ!」。
「おっしゃったじゃありませんか。ライバルに奪われた顧客と売り上げ、シェアを奪い返し、さらに業績の拡大、企業の成長を図りたいと…」。
「社長、お分かりください。これは支出でなく、勝ち残りへの投資なのです」。
「大丈夫。これで前向きのリースが組めますね」。
◇
以上。
営業とはそもそも成績がよいもの。
だが、実際はそうでない。
なぜなら、営業活動と呼べるレベルに達していないからだ。
「見積職」と「営業職」の違いを知れ。
ついでに、恥を知れ。
前者は作業に明け暮れ、後者は仕事に取り組む。
諸君、仕事をやろうぜっ!
←応援、よろしく!
こうした営業活動を心がけることにより、顧客数が減少し、売り上げが劇的に伸長する。
同時に、訪問数が減少し、労働時間が大幅に縮小する。
したがって、営業担当者は定時に帰りつつ高収入を得られる。
これが営業部門における「ワーク・ライフ・バランス」の実現にほかならない。
私が指導する提案営業では、会社の繁栄のために社員の幸福を犠牲にすることはしない。
御用聞きや見積もり営業を十年頑張ったところで、これといった営業ノウハウは残らないので、いざとなったときに自分と家族の生活を守れない。
リストラの不安におびえることに…。
また、企業は、長時間労働・低賃金では優秀な人材を取れない。職場の定着率も悪いまま。
今日の営業は、従来の営業の考え方や進め方、行い方と、何もかも正反対。
それを正しく教えることが社長と上司の責務。
ちなみに、どうすれば営業担当者は顧客の引き合いを断れるか。
以前のブログで述べたとおり、営業担当者をきっぱりとやめること。
なお、この「和田創ブログ」に収めた一連の営業講座などを近々、映像化する。
お楽しみに!
松下幸之助に名言は多いが、私がとくに好きな言葉の一つ。
好況よし、不況さらによし。
私たちは余裕を持って不況を楽しめるようでありたい。
売れないときに売ってこそ、営業の価値がある。
◆
百年に一回かどうかはともかく、日本の景気後退はきわめて深刻である。
年明け、大手製造業などが工場のさらなる操業休止に加え、正社員のリストラに動きはじめた。
2009年は明るい展望がまったく開けない。
オバマ次期米国大統領次第か。
さて、未曾有の経済災害、津波不況をどうしのぐか?
来る14日(水)夜、NPO法人営業実践大学にて「新春講演会」を行う。
今回は特別企画として私・和田創の独演会となる。
会員は2千円、一般は4千円。
ぜひ、こちらからパンフレットをご覧いただきたい。
****************************************************
◆新春講演会(午後6時50分〜7時40分)
非常事態に一丸となり立ち向かおう
「クレド経営・クレド営業で生き残れ!」
何もかも大揺れ、不確実、不透明…。
だからこそ、全社員・全営業がシンプルな理念や規範としてのクレドを唱和し、それをやり抜く経営・営業が大切になる。
厄介な意識改革と行動改革がこれほど簡単とは…。
◆緊急セミナー(午後8時〜9時20分)
大不況でも売り上げは伸ばせる!
「ソリューション営業のための プロセスマネジメント研修」
「商品が売れない」「仕事が取れない」。
そんな悲鳴があちこちから上がっている。
でも、大丈夫。「プロセスマネジメント」が分かると、営業パーソンは売り上げを伸ばせる。営業管理者は部下指導を行える。社長は業績を立て直せる。
今回は「新規開拓」、それも有力顧客へ大型案件を仕掛けるケースを念頭に、ソリューション営業の極意とプロセスマネジメントの真髄を、ワークショップを通じて学んでいただく。
(いずれもオリジナル・ワークシートを進呈)
********************************
皆さま、大勢お誘い合わせのうえ奮ってご参加ください。
Copyright ©2008 by Sou Wada
←応援、よろしく!
これを受け、「百万人の営業講座1…目からウロコ」において、営業方法をどう変えるか、具体例を挙げた。
きょうは「百万人の営業講座2…不況が大好き」と題して。
“御用聞き”とおさらばし、景気後退局面でもゆうゆうと売り上げを伸ばす極意を明かそう。
社長、役員、支社支店長、営業部課長、営業所長、営業パーソン、営業支援スタッフ…。
すべての営業関係者必読、目からウロコ、鼻からナミダの「営業入門&基礎講座」である。
前回に述べた要諦のうち、きょう取り上げるのは「要望やニーズに決して応えない」の一点。
これが、引き合いの減少を克服し、潜在ニーズを掘り起こすうえで最重要!
読者が実際をイメージしやすいよう、営業パーソンと顧客の“会話形式”でまとめてみた。
営業活動が顧客の要望やニーズに応えることだと勘違いしていると、経営は悲惨、社長は地獄。
もちろん、要望やニーズなどの「引き合い」がそれなりにある好況期なら回っていく。
ところが、このやり方だと、不況期には回らなくなる。
引き合いが半分に減ると、売り上げが半分に落ちてしまう。
それが現在。
驚くなかれ、顧客の引き合いの増減と、営業担当者の成績の上下がみごとに重なる企業が少なくない。
営業が機能停止!
だから、決して応えない。
では、どうすればよいか?
とても簡単。
顧客の要望やニーズ、つまり引き合い(きっかけ)に対し、「YES」と言わない。
きっかけに「YES」と答えると、直後に想像を絶するひどい事態が起こる。
営業担当者が客先を辞退してしまうのだ(唖然)。
「今晩中に見積書をFAXします」「明後日に見積書をお持ちします」。
いま青ざめている経営トップや営業管理者が多いが、その理由は社員や部下が「YES」と返してきたから。
売り上げを伸ばすコツは、引き合い(きっかけ)をくれた顧客の前から去らないこと。
営業担当者は居座る(「住み込む」とさらに伸びる)。
小学生でも分かる。
私の子どもは5年生だが、「せっかく注文をくれようとしているのに、帰っちゃったら仕事にならないよね」。
やっぱり分かった。
見積書作成という作業を減らし、営業活動という仕事を増やすだけ。
そのためには顧客の要望やニーズに対し、「NO」と発する。
拒むと、腰を据えてやり取りせざるをえず、客先を辞退しなくて済む。
画期的!
将来にわたり引き合いは減少の一途を辿る可能性がある。
したがって、営業担当者がわずかな“きっかけ”を大切にし、大きな“案件”に膨らませる努力が不可欠になる。
私が行う研修は、その技術を叩き込むもの。
つまり、景気に左右されない営業をつくる。
ところが、実際には営業担当者はめったに断らない。
営業の「え」の字も知らない経営トップや営業管理者が「引き合いを拒むなどとんでもない」と考えているせい。
**につける薬はない。
断れば断るほど売り上げは伸びるというのに…。
業績を低下させている張本人は「要望やニーズに応えよ」と御用聞きをつくってきた社長と上司で決まり。
だから、社員と部下を責めたり叱ったりしてはダメ。
悪いのは、アンタ!
◇
さて、OA販社の営業活動について考えてみよう。
営業担当者が幾度も“通う”うちに、社長からきっかけをいただいた。
「カラープリンタを入れたい」。
当然だが、引き合いをもらうことは目的(ゴール)でない。
ここを勘違いすると「見積書」をつくるので、きっかけが減った分だけ売り上げが落ちる。
むろん、それはスタート。
ここからが営業活動、つまり「仕事」である。
まさに腕の見せどころ!
「社長、まだ十分に使えるモノクロのプリンタがあるのに、もったいないですよ」。
探るうち、社長がカラー提案書を出力しようとしていることが分かった。
探るうち、社長が社員に提案営業を実行させようとしていることが分かった。
探るうち、シェアが拮抗していたライバルと3倍の開きがついたことが分かった(3年前は互いに20パーセントだったが、ここは10パーセント落とし、他社は10パーセント上げた)。
探るうち、提案営業を導入したライバルに顧客、それも優良顧客を次々と奪い取られたことが分かった。
結局、社長は自社に「提案営業」を取り入れ、根づかせたかったのだ。
社員が顧客の獲得と収益の向上を力強く図れるように…。
「いまはプリンタ・コピー・ファクス・スキャナの複合機ですよ」。
「営業拠点は首都圏に*箇所でしたね」。
「えっ、データを送信させ、本社で一括出力して配送するつもり?」。
「社長、現実的な話をしませんか」。
「ところで、ノートパソコンは与えていましたっけ」。
「それぞれの拠点にデスクトップパソコンが2〜3台ある?」。
「社長、その状態で提案営業が活発になると本気でお考えですか」。
「ライバルはどうしていますか」。
「分からない? 私のほうで情報が得られるかもしれません。調べてみます」。
「でも、全員に支給しているはずです。間違いない。パソコンも持たせずに、ソリューションが盛んになるなんて考えられませんから…」。
「そうかぁ。う〜ん、やっぱりムリかなぁ」。
「社長、営業社員は何名ですか」。
「百名くらい? ありがとうございます」。
「でも、くらいとは?」。
「分かりました。私のほうで、総務の**部長に正確な人数をお聞きします。よろしいですね」。
「あっ、デジタルカメラが拠点数、要ります。顧客にいわゆるビフォア・アフターを示せますから。提案では欠かせません」。
←応援、よろしく!
「それと、社長、営業日報はどうなっていますか」。
「管理者に任せている? どういうことですか。拠点長の判断?」。
「つまり、拠点によりまちまちですね」。
「この本社はどうしていますか」
「上が熱心? でも全員じゃない?」。
「つまり、担当によりばらばらですね」。
「社長、拠点によりまちまち、担当によりばらばら。それって放任と言うんですよ、まったく」。
「しかも紙? いまどき紙はないでしょう」。
「そうか、一人1台パソコンを与えていないからですね」。
「では、顧客情報や商談履歴はどう残していますか」。
「はあ、各人の頭のなか?」。
「社長、提案営業の成果は上司の関与、とりわけタイムリーな支援にかかっています」。
「案件の進捗に応じて部下へ適切に助言を与えるには、紙ベースでは絶対にムリです」。
「ムリかぁ」。
「当たり前じゃないですか」。
「そうだ、社長、御社が目指すソリューションなら、SFAよりCRMのほうがいいでしょう」。
「SFAって、何だい?」。
「セールス・フォース・オートメーションのことです。ちょっと乱暴な言い方になりますが、電子営業日報だと思ってください」。
「じゃ、CRMって、何だい?」。
「社長、ダメですよ。カレーライスの普通盛りだと思っているでしょう」。
「そんなはずがないだろう」。
「カスタマー・リレーションシップ・マネジメントのことです。電子営業日報ベースで、顧客情報と商談履歴をトータルに管理できるようにしたものです」。
「あっ、社長、ソフトでは情報のセキュリティに関わるものも必須ですね」。
「それと、ビジュアルプレゼンテーションに関わるものも…」。
「そうか、パソコンとCRMの操作研修が欠かせませんね」。
「せっかく導入しても使いこなせなければ意味がない? ありがとうございます」。
「優秀なインストラクターを派遣します」。
「社長、一番肝心なことを伺うのを忘れていました。社員の方々は提案営業をどれくらい分かっていますか」。
「ハードとソフトを取り揃えても成果は上がりません。提案営業はそんなに甘くないですよ」。
「それでは費用がムダになります」。
「どうかご安心ください。当社の社長の知人に提案営業研修の大御所がいまして…。和田創さんと言います」。
「人の顔を見た途端、怒鳴り散らす講師です。私が責任を持ってご紹介します」。
「ちょっと性格が悪そう? いや、めちゃくちゃ悪いです」。
「人間的には思い切り嫌われていますが、営業研修講師としての腕は確かです。うちもコテンパンにやられました…」。
「でも、受講アンケートは飛び抜けた評価でした」。
「どうりで詳しいと思ったよ」。
「もう一つ、大事なことを忘れていました。営業ナレッジの共有。提案営業の成果向上と効率向上の両方が可能になります」。
「こちらは腰を据えて考えてみます」。
「…それにしても、ずいぶん金額がかさみそうだね」。
「社長っ! 本気で勝ち残りを目指していますかっ!」。
「おっしゃったじゃありませんか。ライバルに奪われた顧客と売り上げ、シェアを奪い返し、さらに業績の拡大、企業の成長を図りたいと…」。
「社長、お分かりください。これは支出でなく、勝ち残りへの投資なのです」。
「大丈夫。これで前向きのリースが組めますね」。
◇
以上。
営業とはそもそも成績がよいもの。
だが、実際はそうでない。
なぜなら、営業活動と呼べるレベルに達していないからだ。
「見積職」と「営業職」の違いを知れ。
ついでに、恥を知れ。
前者は作業に明け暮れ、後者は仕事に取り組む。
諸君、仕事をやろうぜっ!
←応援、よろしく!
こうした営業活動を心がけることにより、顧客数が減少し、売り上げが劇的に伸長する。
同時に、訪問数が減少し、労働時間が大幅に縮小する。
したがって、営業担当者は定時に帰りつつ高収入を得られる。
これが営業部門における「ワーク・ライフ・バランス」の実現にほかならない。
私が指導する提案営業では、会社の繁栄のために社員の幸福を犠牲にすることはしない。
御用聞きや見積もり営業を十年頑張ったところで、これといった営業ノウハウは残らないので、いざとなったときに自分と家族の生活を守れない。
リストラの不安におびえることに…。
また、企業は、長時間労働・低賃金では優秀な人材を取れない。職場の定着率も悪いまま。
今日の営業は、従来の営業の考え方や進め方、行い方と、何もかも正反対。
それを正しく教えることが社長と上司の責務。
ちなみに、どうすれば営業担当者は顧客の引き合いを断れるか。
以前のブログで述べたとおり、営業担当者をきっぱりとやめること。
なお、この「和田創ブログ」に収めた一連の営業講座などを近々、映像化する。
お楽しみに!
松下幸之助に名言は多いが、私がとくに好きな言葉の一つ。
好況よし、不況さらによし。
私たちは余裕を持って不況を楽しめるようでありたい。
売れないときに売ってこそ、営業の価値がある。
◆
百年に一回かどうかはともかく、日本の景気後退はきわめて深刻である。
年明け、大手製造業などが工場のさらなる操業休止に加え、正社員のリストラに動きはじめた。
2009年は明るい展望がまったく開けない。
オバマ次期米国大統領次第か。
さて、未曾有の経済災害、津波不況をどうしのぐか?
来る14日(水)夜、NPO法人営業実践大学にて「新春講演会」を行う。
今回は特別企画として私・和田創の独演会となる。
会員は2千円、一般は4千円。
ぜひ、こちらからパンフレットをご覧いただきたい。
****************************************************
◆新春講演会(午後6時50分〜7時40分)
非常事態に一丸となり立ち向かおう
「クレド経営・クレド営業で生き残れ!」
何もかも大揺れ、不確実、不透明…。
だからこそ、全社員・全営業がシンプルな理念や規範としてのクレドを唱和し、それをやり抜く経営・営業が大切になる。
厄介な意識改革と行動改革がこれほど簡単とは…。
◆緊急セミナー(午後8時〜9時20分)
大不況でも売り上げは伸ばせる!
「ソリューション営業のための プロセスマネジメント研修」
「商品が売れない」「仕事が取れない」。
そんな悲鳴があちこちから上がっている。
でも、大丈夫。「プロセスマネジメント」が分かると、営業パーソンは売り上げを伸ばせる。営業管理者は部下指導を行える。社長は業績を立て直せる。
今回は「新規開拓」、それも有力顧客へ大型案件を仕掛けるケースを念頭に、ソリューション営業の極意とプロセスマネジメントの真髄を、ワークショップを通じて学んでいただく。
(いずれもオリジナル・ワークシートを進呈)
********************************
皆さま、大勢お誘い合わせのうえ奮ってご参加ください。
Copyright ©2008 by Sou Wada
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