私はこのところ肉体は疲れているのに神経が高ぶっていて、睡眠がうまく取れない状態が続いている。
眠りに入るまでに時間がかかる。
ようやく眠れたと思ったら1〜2時間で目が覚める。
後頭部や側頭部に熱がこもっている。
日中がつらい・・・。

私は先日、変な夢を見た。
パジャマ(といってもTシャツ)のエリが汗でびっしょり濡れていた。

恐らく懸命に“就活”をやっていたのだろう、入社試験。
意地悪そうな面接官が校歌を歌ってみなさいと命じた。
予想外。
私は高校が3校にまたがっており、校歌を覚えていないことを伝えた。
すると、小中学校の校歌でよい。

私は6年間在籍した直江津小学校の校歌を歌い出した。
「ながめとうとき 妙高山の〜」。
ところが、この後の歌詞が出てこない。
ただし、メロディは覚えているので、鼻歌で続ける。
「〜この庭なつかし この庭たのし」。
初めと終わりしか歌えなかった。

私は焦る。
次いで、2年半在籍した伊那中学校の校歌を歌い出した。
「山脈は 青くめぐりて
川遠く 南に流る
見晴らしの木深き丘べ
古きより 学びの地たり」。
山脈は「やまなみ」と読む。
無事に歌い終えられた。

私は、日本海に面した直江津市から2〜3千メートル級の山々に挟まれた盆地の伊那市に引っ越してきた。
呉羽紡績(現東洋紡績)の出張所兼自宅は国鉄「伊那市駅」の真裏にあり、すぐそばに天竜川が流れていた。
それは遠く太平洋へ注ぐ。
そして、伊那中学校までは丘へ続く道を20〜30分登る(うろ覚え)。
それなりの距離。
伊那中学校の校歌は、私が抱いた実感そのもの。

私はほっとした。
ここで目が覚めた。
午前5時前。
2時間も眠っていない。
やれやれ・・・。

それだけの話だ。
夢はたいてい他愛ない。

専門家は、この夢をどう分析するのか?
私は人生で卒業式を経験しておらず、毎年この時期がやって来るたびに無念の思いが募る。
また、就職を経験しておらず、会社員(サラリーマン)にコンプレックスを感じている。
それと関係しているのだろうか…。

なお、歌詞については、それぞれの学校のホームページで漢字とひらがなの表記、改行などを確かめたうえで記した。

                       ◇

私は、直江津小学校の卒業式前日に伊那市に引っ越してきた。
当初は盆地特有の眺めが息苦しかった。
が、伊那中学校ですぐに親友ができた。
さらに2人の親友ができ、休日や休暇に伊那谷を長時間歩いた。
あてもなく…。
この土地が次第に好きになっていった。

2025年、私は約60年振りに伊那中学校を訪れた。
74歳。
思ったより長生きできた。
昔、この坂道を難なく登れたことが不思議。

私はすっかり不自由になった目で伊那谷を見下ろしていた。

そのときだ。
鋭い光を放つ鉛筆のような物体が走り抜けた気がした。

3人の旧友が「リニア中央新幹線」と教えてくれた。

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