コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。

知識偏重

営業本を知るために読む人がいる

私が講師として駆け出しの頃に出した『提案営業成功の法則』に対し、読者から「自分が知っていることばかり」といった感想が寄せられた。
私は、仕事本を知るために読む人がいると分かり、衝撃を受けた。
ましてや同書は営業の実務本である。

「自分がやっていることばかり」という感想なら、私が主宰する「NPO法人営業実践大学」の月例セミナーにゲストとして招いた。
同書の内容は、トップセールスマンのなかでも突出した成績を残している人のそれである。
その2割ができていれば、私は上位3パーセントに入れると考えていた。

また、「自分がやっていることばかり」でありながら成績がよくないとしたら、私は深く反省する。
同書の内容に有効性がないということだ。

営業本だけならまだしも、事態はもっと深刻である。
実は、営業セミナーに知るために参加する。
私は成績を上げるには、営業の基本中の基本を徹底して行えば十分と考えている。
したがって、内容はどうかすると小学生が理解できる水準である。
営業本と同様、「自分が知っていることばかり」といった感想が寄せられる。

営業職のなかにも、知ることで満たされようとする人が増えた。

私は職業教育の現場において、知識偏重の学校教育の弊害と闘っている。
彼らは、教室の授業との違いが分かっていない。
受講者から寄せられる質問も行うためでなく、知るための質問が増えた。
私はたいていそれが分かってしまうので、教えていてむなしい。

今日、薬には効用だけでなく副作用があることは広く知られている。
が、案外、知識には効用だけでなく副作用があることは知られていない。
営業再建屋の私は、知識が“猛毒”になっている実態をたくさん見てきた。
例えば、高学歴者が集まるITシステムなどの先端分野に目立つ。
なかには先生顔負けの豊富な知識を持つ人もいる。

私は、とくに営業の仕事は知識に浸かると行動が鈍ると考えている。
結果を出せない人は概して「手法」に依存しすぎる。
もしも成績が伸び悩んでいるなら、あり余る知識を頭からいったん外し、営業の仕事の本質を思い切りシンプルにとらえ直すことを勧める。

私は職業柄、大勢のトップセールスマンと接してきた。
営業の手法にまつわる知識へ傾斜する人を一人も知らない。
俗にいう「頭のいい人」はおそらくゼロ。
ちなみに、私は明治大学5年中退なので「頭の悪い人」である。

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講師とは自己否定である…プロ養成塾

長期出張と原稿執筆などに追われ、しばらく中休みがあったが、一連の記事を復活させる。

日本の学校教育が知識の習得を偏重した結果、そうした風潮が職業教育にまで広がった。
成果は“行う”ことによってしかついてこないのに、“知る”ことに関心が向かいやすい。
弊害は参加者に留まらず、講師に及んだ。
“教える”ことに重きを置いてしまう。

ただし、参加者はその限界をわりと早く感じ取った。
ところが、講師はいまだに気づいていない。
すでに述べたように有力なプロ講師があまり育っていないが、その最大の理由であろう。
とりわけ営業分野は次世代がほとんど現れないため、私を含めて顔ぶれは昔のままだ。
その結果、高額な受講料を払っても参加したいと思う、新しいセミナーが減っている。
このマーケットは近年じり貧が鮮明である。

私は、職業人に教えることがまったく無駄というつもりはない。
しかし、知識は本やeラーニングでもっと効率的に得られる。
教えることを主眼としたセミナーでは魅力が乏しく、参加者を呼び寄せるのが難しい。

社会人教育の本質は「革命」である。
参加者に意識や行動の変革・革新をもたらすものでなくてならない。
まして環境変化が加速し、企業も個人も生き残りが至難となった今日、業務や仕事の抜本的な見直しが必須だ。
それも悠長に取り組んでいられない。
講師は硬直した考え方、固定したやり方を叩き壊さなくてならない。

となると、新人向けを除き、講師の仕事の基本は参加者に対する“ダメ出し”である。
いや、新人も学生気分から脱却してもらわなくてなるまい。
が、だれも否定されることは好まない。
さらに、変化することは二の足を踏む。
人は慣れ親しんだ世界にかならず戻ろうとする。
進んで変わろうとする人は一握りにすぎない。
あるいは、まったくいない。
「変革リーダー」とはこれだ。
人間の本質は「保身」である。

私は思う。
そもそも企業が進んで変われるなら、業績不振と無縁でないか。
ここにプロ講師が生きていける場所がある。

社員は変わりたがらない。
幹部も役員も社長も同じ。
市場や顧客はどんどん変化しているのに、業績を決定的に左右する企業文化も組織風土もほどんど変わらない道理である。
私が革命を促さなくてなるまい。

講師が真剣に使命を果たそうとするほど会場が張り詰め、参加者に煙たがられる。
したがって、アンケート評価は下がりやすい。
しかし、それはプロ講師の“宿命”である。
そうした現実を覚悟して受け入れないと、セミナーのあり方がゆがんでしまう。
実は、参加者に気に入られることで講師が得られる評価など高が知れている。
迎合では限界がある。
ちょっと長い目で見れば、プロとしてやっていけない。

使命を果たしてこその講師稼業。
これを第一とし、自らを律する。
こうした姿勢は、参加者の評価よりはるかに重大である。
プロ講師は己の存在価値がどこにあるか、片ときも忘れずに考え、それを高めるように努めなくてならない。

私は、プロ講師とは、変化を嫌う職業人に革命をもたらす仕事と考えてきた。
それに沿い、コンテンツやカリキュラムに磨きをかけてきた。
しかも、職業人には社長や役員や幹部が含まれ、企業が変わるうえではむしろこちらへの動機づけが重要になる。

ところで、これまでに述べた教育が真っ先に対象とすべきは“自分自身”である。
講師が発した言葉はかならず己に跳ね返らなくてならない。
変化を嫌い、革命を避ける講師はくそだ。

講師とは自己否定である。
すなわち、それは仕事でなく態度である。

                      ◇◆◇

「和田創 プロ講師養成塾」シリーズは以下のとおり。

⇒2010年5月11日「次世代が育たない…プロ講師養成塾」はこちら。

⇒2010年5月12日「セミナーアンケート…プロ講師の常識」はこちら。

⇒2010年5月13日「プロ講師の心得…講義の内容と表現の評価」はこちら。

⇒2010年5月14日「教えたら育たない…教育を解釈する」はこちら。

きょう紹介する予定だったセミナーアンケート(受講者の声)はあすへ。

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なお、ブログによりぎりぎりのジョーク、成人向けの内容が含まれます。
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プロフィール
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和田創

和田創研代表
日本ロボコム代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。クライアントとともに77歳までに百社の設立を目指す(内、自ら11社)。

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