私は土曜日から日曜日にかけて徹夜を覚悟し、年明け発売の研修教材のコンテンツ作成に没頭していた。
すると、つけっ放しのNHK総合テレビで「MJ presents AKB48リクエストSPECIAL 2011 〜神曲祭〜」という番組が放送されていた。
深夜2時過ぎから3時台まで…。

公式サイトでは、「視聴者のリクエストをもとに、初期のAKBの激レアパフォーマンスから、大ヒットシングルまで、NHKで収録した神曲たちを一挙放送!」と記されていた。
姉妹ユニットを含めた曲のなかからHPを通してリクエストを募集した結果をカウントダウン方式で紹介する。

私は「神曲」の意味が分からなかった。
ダンテの詩編でないのは確かであり、NHKの所在地、渋谷・神南で収録した曲を指すのか。
ならば、「南曲」でもいいはずだ。
う〜ん、キビシイ・・・。

NHKは、大みそかに放送される「第62回NHK紅白歌合戦」に出場する歌手の出演番組をBSプレミアムと総合テレビで12月17日以降、順次再放送している。
AKB48の番組もその一環のようだ。

私は締め切りに追われており、このアイドルグループの歌声と楽曲がところどころ耳に飛び込んでくるにすぎない。
それでも彼女らが持つ掛け替えのない若さ、とてつもなく大きな熱、そしていまという瞬間を全速力で駆け抜ける勢いが伝わってくる。

それぞれの曲についてリクエストランキングと「pt(ポイント)」が示される。
また、AKB48の姉妹ユニットの曲も流される。
私は音楽に疎く、AKB48と姉妹ユニットが野球でいう1軍(メジャー)と2軍(マイナー)という関係なのか、それとも序列でなくて単に地域(地元)の括りなのか、分からない。
グループ同士のメンバーの交換(入れ替え)も行われるのか、分からない。

はっきりしているのは、どのグループも、どのメンバーも、精一杯頑張っているということだ。
「それが青春…」と片づけるのはたやすいが、自分をここまで解放した経験はその後の長い人生を生きていくうえで自信になる。
若い女の子の意識と意欲、パワーは、同世代の男子を上回るのでなかろうか・・・。

確か秋元康がすべての歌詞を手がけているはずだ。
エネルギーは凄まじい。
とくに見習わなければならないのは行動、それ以前に行動への勇気である。
秋元康が半生を通じて貫く挑戦の姿勢に、私は敬意を表する。

2011年12月5日「USB48フィギュア商品化、パソコンへの挿入感…AKB48」はこちら。

歌市場も大きいが、お笑いマーケットも大きい。
また、根強い。
AKB48はあれだけの大所帯が食べていくのは至難である。
活躍の場の拡大と収入の確保をどん欲に目指さないと、すぐに消滅する。
箸は多いほうがいい。

AKB48は遠からず芝居(演劇)へ、さらにごく簡単なミュージカル(歌劇)へ進出を図るのでは・・・。
歌と芝居のどちらに重きを置くかはともかく、昔から両者はしばしば融合してきた。
AKB48が広い意味の芸能界を席巻する。

以下に、「AKB48はお笑い芸人に脅威…芸能界裏事情」と題する2011年10月20日のブログを収める。

                      ◇◆◇

私はアイドルに興味がない。
いまだれが売れているか、ほとんど知らない。
それでもアイドルグループ「AKB48」はつけっ放しのテレビにしばしば登場する。
若い世代の熱烈な応援を追い風に、メディアへの露出が非常に多い。
作詞家・秋元康がプロデュースする。

そのAKB48がさらなる活躍の場を求め、バラエティーの分野に進出を果たしている。
もちろん「お笑い番組」にも・・・。
彼女らは肝が据わっている。
男の私が驚くほど積極的であり、勇敢であり、とことんチャレンジする。
少しでも収入を増やさないと、このプロジェクトも彼女らも所属事務所もやっていけない。
大勢のアイドル(タレント)が食べていくのは絶望的なくらい大変なはずだ。
芸能界の裏事情に疎い私でも、採算を取りにくいことは察しが付く。

                       ◇

「お笑いブーム」が長く続いている。
お笑いが視聴者の支持を得たためだが、同時にテレビ局の台所事情も関わっている。
不況の長期化とメディアの増加により広告収入が大幅に減り、制作費を思い切って絞らざるをえなくなった。
要は、番組づくりにカネをかけられない。

お笑い芸人は頭がいい。
なぜなら、人を笑わせることがもっとも難しいからだ。
したがって、彼らが本気になれば大抵のことはこなせる。
例えば、さまざまな番組の司会。
彼らは職業柄、面白いトークやパフォーマンス、リアクションなどで視聴者をつなぎとめるのが実にうまい。

テレビ局は視聴率が取れるタレントを使いたい。
しかし、高額のギャランティを払えなくなった。
実際、多くの番組を掛け持ちしていた有名タレントが各局の主要なレギュラーからどんどん外されている。

テレビ局がその代役として目を付けたのが「お笑い芸人」だった。
その結果、夜間と深夜の時間帯はお笑い芸人だらけになり、バラエティー番組だらけになった。
とはいえ、皆が凄いわけでない。
見るに値しない企画と内容が急増した。
わずかな制作費で無理やり放送時間を埋めた印象が拭えない。
番組の質が年々低下し、“テレビ離れ”を加速させる悪循環に陥っている。

絶大な人気を背景にテレビを席巻するAKB48。
お笑いブームの恩恵に浴してきた芸人が出演機会を食われる可能性がある。
AKB48はライバル、いや脅威になる・・・。
しかし、ファンは移ろいやすく、飽きられるのも早いだろう。

なお、「SDN48」が突然、解散を表明した。
AKB48プロジェクトの一翼を担い、大人のファン層の開拓が狙いだった。
2009年に誕生し、わずか2年ほどで消滅する。
ショービジネスは恐ろしく難しい。
目論見が外れ、大人が乗ってこなかった・・・。

Copyright (c)2011 by Sou Wada

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