コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

競争優位

値引き要求・値引き競争なし…値引きゼロへ社長の秘策

私は営業研修で「営業マンは見積書を出すな!」と厳しく命じている。
なぜなら、値引きに泣かされる“最大”の理由だからだ。
この程度のことは子どもでも分かる。

また、値引きに泣かされる“根幹”の理由は、営業マンを置くからだ。
営業がいないネット販売やカタログ販売、テレビショッピングなどは値引きに泣かされることがない。
この程度のことは子どもでも分かる。

teieisougoupanhu01社長は営業マンを首にせよ!
実際、彼らをゼロにすると、商品やサービスの価格を大幅に下げられ、市場競争で断然優位に立てる。
例えば、印刷会社でもネット受注に特化したところがある。
営業がゼロになれば、値引きはゼロになる。

社長が熟慮し、それでも営業マンを置きたいと願うなら雇えばよい。
ただし、その彼らが値引きへ走ったのではまったく意味がない。
世の中、営業の仕事をやらず、見積書作成の作業に甘んじる輩が圧倒的大多数である。
teieisougoupanhu02そして、それに対して社長や上司が何の疑問も感じない。
会社によっては「営業職イコール見積職」に成り下がっている。

笑えない笑い話だが、社員や部下が机に座っているだけで不機嫌になる社長や上司でも、彼らが見積書をつくっているときだけは文句を言わない。
上の「営業観」があまりにも古いのだ。
小学生高学年のレベルに達していない社長や上司が多い。

顧客に対する働きかけの内容にこれといった魅力や価値を持たせられないとすれば、かならず顧客の値引き要求に泣かされたり、ライバルとの値引き競争に巻き込まれたりする。
創意工夫による差別化の打ち出しこそ、営業マンの存在意義である。
社長や上司は、この言葉を社員や部下に百回すり込め。

顧客にそうした誠実な努力を認めていただき、「おたくにお願いしようと考えている」との一言を取り付けたうえで見積書を示す。
つまり、見積書とは商談を決めてから、少なくとも顧客に自社を選んでいただいてから持っていくものだ。

社長や上司は、安易に見積書をつくろうとする社員や部下をどやしつけろ!

◆書き加え1(3月26日)

乱暴な数式ながら、「売上=商品力(売りもの)×営業力(売り方)」。
私は後者を強化する仕事だが、経営者、とくに零細・中小企業の社長はまずは前者に注力するのが手筋である。

ただし、私は営業がやれることもあると信じ、営業コンサルタント・講師の仕事に携わっている。

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創造的人材への再生(講演TV)

先の講演TV・人生編で、「人手と人材の違い」について述べた。
作業をこなす人、仕事を行う人。
それは、労働における「考える」要素の軽重で決まる。
大多数は慣れ親しんだ作業に携わりたがる。
楽だから…。

さて、仕事を行える人材は景気に関わらず、つねに足りない。
慢性的な不足。
さらに、人材のなかでも「つくる」ことのできる人はめったにいない。
絶対的な不足。
そう、「創造的人材」は文字どおり“人財(人の財)”なのだ。

トップが、創造的人材こそが企業の競争優位、したがって今後の成長を決定づけると考え、育成に躍起になっている。
しかし、成果が上がるはずもない。
優秀な経営者ほど、創造の本質を分かっていない。

私は、講演TV・人生編の「成功の条件を考える」でこう述べた。
「創造とは挑戦であり、したがって失敗である」。
「挑戦なくして創造なし、失敗なくして創造なし」。
当然だが、企業は創造性開発の研修カリキュラムを品揃えに加えるより、トップ自ら失敗を奨励するメッセージを発し、失敗を評価する人事考課制度を敷くほうが圧倒的に大事である。

また、企業でなく個人の観点から述べれば、「創造」はもっとも難しい。
なぜなら、それを可能にするのは知識でも手法でもなく、“態度”だからである。
問われているのは、当人がこれまでにどれくらい創造的な生き方、働き方をしてきたか。
その検証はとても簡単であり、挑戦により犯した失敗を数えればよい。
創造的人材の勲章だ。
ゆえに、創造性は、中卒や高卒の創業者が培っていたりする。
彼らは優秀でなく、失敗の連続だった。

創造は、もっぱら当人の態度のなせる業である。
本や学校などで覚えた他人の知識や手法で行えるということはない。
そうした勉強では生きた創造性は養えない。
「問題解決」に毛が生えた程度がやっと…。
そもそも創造の前提は、自己否定と行動度胸。
いずれも勉強好きがもっとも不得手とするところである。
まして学歴や資格といった保証がほしくて学校に行く人には…。

また、つくりたい人でなく教えたい人が「創造性開発」の講義や授業を受け持つことも大きな問題である。
教育研修部でもHRDでも学校でも…。

結局、企業において創造的人材への再生が進まない原因は、トップ、社員、講師のそれぞれにある。
三者とも創造性に対する理解を欠いている。

                       ◇

なお、本日のテーマについて、もう少し詳しく、あるいはもう少し掘り下げて語っている。



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講演TV(人生編)
創造的人材への再生
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これは、2009年3月11日(水)の「和田創ブログ」に若干のアレンジを加えたものである。

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創造的人材へ

一昨日のブログで、人手と人材の違いについて述べた。
経営と人生の名言0204作業をこなす人、仕事を行う人。
それは「考える」要素の多寡で決まる。
大多数は慣れ親しんだ作業に携わりたがる。

仕事を行える人材は景気に関わらず、つねに足りない。
さらに人材のなかでも「つくる」ことのできる人はめったにいない。
仕事教本0236「創造的人材」は文字どおり“人財”。
それが企業の競争優位、したがって今後の成長を決定づけると経営者が考えはじめ、育成に躍起になっているものの、たいした成果は上がっていない。

何せ「創造」は困難を極める。
拡販キャンペーン型・提案営業研修なぜなら、それを可能にするのは知識でも手法でも技術でもなく、態度だからである。
問われているのは、当人がこれまでにどれくらい創造的な生き方、働き方をしてきたか。

仕事教本0237笑い話みたいだが、私が研修でワークショップを命じると、大半の社員が「やりたいことがない」と途方に暮れる。
社会に対するテーマを持って生きてこなかったのだ。あるいは、市場に対するテーマを持って働いてこなかったのだ。
経営教本2
以前、IPOに関心を寄せる人の集まりで、肝心の事業を考えられる人がいなかった。
有名な大学やMBAの出身者も少なくないのに…。
仕事教本0238だれかが有望なビジネスプランを実行するなら、IPOをお手伝いするというスタンス。
つまり、他人のつくったものに乗りたい人ばかり。
知識や手法や技術は持っているはずだから、やはり「やりたいことがない」のか。
途端にミーティングは行き詰まった。
テーマ不在は金融やITの従事者に少なくない。
再建屋ノート2
創造は態度のなせる業。
学習であまり身につくものでない。
そもそも創造の前提は、自己否定と行動度胸。
いずれも勉強好きがもっとも不得手とするところである。
仕事教本0239まして保証がほしくて学校に行く人には…。

今後、社会全体がますます閉塞感に覆われることになる。
創造的人材にはとんでもない高値がつくだろう。

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企業再編は新時代へ…戦略的統合

川柳20080220-01企業の再編が新時代を迎える。
これまでは同じ業界内での統合がほとんどだった。
ライバル同士が生き残りをかけてくっつく。
大半は売り上げ規模の拡大と重複業務の削減が目的だった。
そう、地位上昇と経営合理化。
寄らば大樹の陰という本音も見え隠れする。
当初はリストラなどが行われるにしろ、いったん落ち着いてしまえば、社員の活性化の効果も限られる。
要は大きくなっただけ。

経営教本0371ところが、技術革新が加速し、かたや環境破壊や原材料枯渇などの問題が深刻化している。
しかも企業にとっての主戦場が各国の強豪がひしめく海外へシフトしている。
研究開発や生産が変化し、マーケティングが変容する条件が揃い、それに対応する気運も高まってきた。
目をおおう営業活動の実態業界の際が崩れ、市場の境が消えるかもしれない。
遠からず、隣接・周辺・関連領域はもとより、異分野との統合が活発化しよう。
それは国内での生き残りに留まらず世界での勝ち残りを睨んだ戦略的な再編と呼んでよい。
ライバルとの統合のような一定の安心感はないが、異分野との統合は実に刺激的である。
社長セミナー1
今後の競争優位はノウハウというソフトがカギを握ることは確実であり、それは創造の結果にほかならない。
経営教本0372私は異分野との統合が社員のクリエイティビティを高めると信ずる。
産業経済に対する洞察と俯瞰に基づくボーダレスな再編が企業の命運を決定づける。

                       ◇

経営教本0373企業の統合はなかなかうまくいかない。
もっとも大事なことは、新たな企業文化、組織風土を打ち出すこと
どちらかの企業文化や組織風土に従わせようとすると、いつまでたっても一つになれない。
社員教育DVD1
また、それではメリットを生かし切れない。
図体が大きくなるだけで、世界へ打って出るところまでたどり着けない統合がほとんど。
経営教本0374なお、これをいとも簡単に成し遂げるのが、私が指導している、唱和を前提とした「クレド経営」なのである。

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営業変革トップセミナー20090303

人手不足はほんとうか?

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景気が明らかな回復局面に入った数年前から「人手不足」が取り沙汰されてきた。
その懸念が的中し、企業は労働力の確保に苦戦を強いられている。
とくに中小企業や零細企業は深刻で、新卒はもちろん、中途もなかなか採用できない。
昨秋から景気に減速傾向が見られるが、現時点ではそうした状況に変化は現れていない。

ところで、日本はまもなく総人口が激しく減少しはじめる。
当然、生産年齢人口も著しく減少する。
これは事実だ。
有名なシンクタンクや経済評論家が長期にわたる人手不足を予測している。
それを前提にして私はこのブログを書いたり、営業に関する講演などで述べたりしているが、実は半信半疑である。
先読みする力がなく、ほんとうのところが分からないのだ。
申し訳ない。

日本が不景気になれば、労働市場は需給関係が一変する可能性はないのだろうか。
求職が求人を上回る。
1990年代後半から21世紀初頭のように、新卒も中途も仕事を見つけられない状態…。
当時は有効求人倍率が非常に低く、世の中に失業者があふれていた。

現象面では確かに人手不足である。
それを切り取るマスコミ報道が一層のリアリティを与える。
面接の場では、あなたが欲しいと訴え、気持ちは分かったとかわす光景が繰り返されている。
だが、私にはそうした状態がいつまでも続くと思えない。
雇う側も雇われる側も頭を冷やし、心を静めて考える必要がある。

最近の雇用環境の狂乱に覆われ、問題の本質が見えにくくなっている。
企業は人手をかき集めてどうするのか。それでこの先、勝っていけると踏んでいるのか。
個人は人手に甘んじていてよいのか。それでこの先、やっていけると踏んでいるのか。
双方とも刹那的な反応に留まり、将来を見据える戦略的な視点を欠いている。
あまり人手、人手と空騒ぎしないこと。

足らないのは人材。
憂慮すべきは、人手不足でなく人材不足である。
とくに知識社会での競争優位の源泉となるクリエイティブクラスが乏しい。
すなわち、「人財不足」。
人手は利益を縮ませ、人材は利益を伸ばす。

先行きに対する楽観的な見方があることも事実だが、いつ奈落の底に突き落とされるとも限らない。
私たちは労働市場の活況に踊らされることなく、問題の本質に思いを馳せるべきである。

そして、この人材不足はすでに日本の衰退を招いている。
続きは、あすのブログで…。

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しかも、私がときどき新しい記事を割り込ませています。
内容が古かったり、順序が変だったりするのはそのためです。

なお、ブログによりぎりぎりのジョーク、成人向けの内容が含まれます。
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私は執筆に当たり全人格を投影したいと考えます。
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プロフィール
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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

その他の役職
面白くないジョークの会会長 

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