コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

紀平梨花修正力

紀平梨花はそれでもSPでトリプルアクセルを跳ぶのか

無傷の5連勝、結果だけ見れば敵なし
3Aを跳ばなければだれにも負けない

四大陸フィギュアスケート選手権2019で優勝を収めた紀平梨花が、3月20日にさいたまで開幕する世界フィギュアスケート選手権2019に出場します。
シニア1年目の国際大会は無傷の5連勝を飾っており、結果だけ見れば敵なしの状態です。

しかし、3戦が逆転優勝であり、ショートプログラム(SP)で出遅れ、フリースケーティング(FS)で巻き返すパターンです。
会場でもテレビでも盛りあがりますので、SPの失敗がかき消されます。

ちなみに、FSは全試合で1位と圧倒的な強さを誇っています。

⇒2019年2月10日「逆転優勝の紀平梨花、結果オーライで喜べない」はこちら。

紀平梨花は全試合のSPで冒頭に代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳んでいますが、きちんと着氷して基礎点8点以上を得たのはグランプリ(GP)ファイナルの1試合に留まります。
(ルール改定後の世界最高を記録したSPです。)
GPシリーズ第6戦「フランス杯」と四大陸選手権ではシングルアクセルになって「0点」でした。

四大陸選手権では開幕直前に左手薬指関節を亜脱臼し、欠場も検討したほどです。
それも響いてSPで5位に沈みましたが、FSでトリプルアクセルを1本に絞り込んで成功させ、2位に大差をつけて逆転しています。

FSでの「修正力」が光りますが、強豪が出場する大舞台になるほどSPでの失敗を挽回するのは容易でありません。

⇒2019年2月9日「紀平梨花はSPのトリプルアクセルが敗因」はこちら。

SPスタートポーズで足ががくがく?

トリプルアクセルの成功率がここまで低いのは、精神的な状態に左右されるからです。
翌日に行われたFSであっさりと跳んでいるところを見ても、技術的な問題といえません。

紀平梨花は「試合で緊張しない」と語っています。
それがほんとうだとすれば、集中できていないのでしょう。
(むろん本人も気づかない緊張があるのかもしれません。)

四大陸選手権のSPではスタートポーズで左足ががくがくしていました。
震えのようにも見え、専門家が緊張と指摘していましたが、おそらく無意識で左のスケート靴の感触を確かめていました。
(スタートポーズにつく前に、左のスケート靴を気にする仕草をしていました。)
拳(こぶし)を握れない状態で踏み切るトリプルアクセルのことが頭にあり、集中できていなかったのです。

紀平梨花は「総合力」が際立ちますが、本人のなかでは高難度のジャンプが得意との気持ちがどこかに残っているのでしょう。
SPでは3本しか跳ぶことを許されず、1本の失敗、まして最大の得点源となる冒頭のトリプルアクセルにプレッシャーを感じて当然です。
これをしくじった瞬間にSPの首位は遠のきますから。
プレッシャーも感じないとして、少なくとも「神経質」になって集中力を欠いているのは確かです。

SPでの失敗はFSでの成功の踏み台

紀平梨花のトリプルアクセルに対するスタンスは競技人生をかけたといっても過言でない浅田真央と異なります。
本人はリアリストの側面もあり、そこまでの「こだわり」を持っていません。
私は逆転優勝が続くとしたら、SPでトリプルアクセルを跳ぶ必要があるのか疑問に思います。

が、これまでの試合を振り返ると、話はそれほど単純でありません。
紀平梨花は、SPでの失敗をFSでの成功の“踏み台”にしている節があります。
つまり、前者を肥やしにして、後者を咲かせるという因果関係です。
ならば、SPでのトリプルアクセルは成否にかかわらず必須となります。

しかも、紀平梨花は決して失敗を引きずらず、すぐに気持ちを切り替えられます。
(悔しくないはずがありませんが、自信の裏返しなのか、けろっとしています。)
そのうえで、自分の調子やリンクとの相性なども含めて冷静・緻密に失敗を分析し、具体的で明確な対処を行えます。
16歳にして、頭も心(メンタル)も第一級の選手です。

⇒2019年1月20日「紀平梨花は反省しない(本田真凜と大差がついたわけ)」はこちら。

紀平梨花はもちろんSPでつまずこうなどとは考えていません。
世界選手権へ向けて「SPから集中力を出せるようにし、SPとFSを揃えたい」と繰り返し語っています。

この選手はどのような国際大会でもライバルの存在さえ気にする必要がないほど強い。
戦う相手は、自分のほかにいないのです。
「完璧」を求める繊細さが過剰になり、まま集中力を奪っています。

トリプルアクセルを大切にしてほしい

最後に私の率直な気持ちを記します。
紀平梨花には日本女子の「お家芸」をかならず入れてほしいと思っています。
浅田真央のようにかならず挑んでほしい。
もっと得点力の大きい「4回転ジャンプ」をプログラムに組み込むようになってもトリプルアクセルを大切にしてほしい。

しかし、コンディションの問題も関わりますから、大舞台では勝負に徹してください。
四大陸選手権ではSPはダブルアクセルで十分でした。
大事なのは、最終組の後半3人のなかに入ることです。
文句のつけようのないチャンピオンとして、ここで滑ることに自分自身を慣らしたほうがいい。
残念ながら滑走順は選べませんが、SPで首位に立ち、FSで最後を締めて圧勝を収めるイメージを膨らませてください。

それこそが世界女王の紀平梨花にふさわしい。

category:紀平梨花ブログはこちら。

◇◆◇

紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年2月13日「紀平梨花、慈愛が息づく深くて静かな華」はこちら。

⇒2019年2月11日「紀平梨花がやばい、リングを嵌める左手薬指関節が腫れる」はこちら。

⇒2019年2月11日「紀平梨花と宇野昌磨はけがも金メダルも仲よし」はこちら。

⇒2019年2月10日「逆転優勝の紀平梨花、結果オーライで喜べない」はこちら。

⇒2019年2月9日「紀平梨花はSPのトリプルアクセルが敗因」はこちら。

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紀平梨花は反省しない(本田真凜と大差がついたわけ)

メンタルコンディションづくり
大舞台へ独自の流儀を編み出す

フィギュアスケート女子シングルの紀平梨花。
いわゆる「心技体」が揃わなくては主要な国際大会で勝利を収めることはできません。
フィギュアスケートではグランプリ(GP)ファイナル、世界選手権、そしてオリンピックが大舞台と呼べます。

心技体のうち、技術と身体についてはわりと把握しやすい。
もっとも難しいのは心理(精神)を把握することです。
技術や身体が優れているのに大舞台で勝利を収められない選手は珍しくなく、おおよそ「メンタルが弱い」とされてきました。
しかし、そう表現しても何の解決にもなりません。
「メンタルコンディションづくり」ができなかったと考えるのが実践的です。

私がシニアデビュー1年目、16歳の紀平梨花について感じたのは、このメンタルコンディションを整える能力の高さです。
それをどのように習得していったのでしょう。

勝つべくして勝つことが可能に

不思議な気がしますが、紀平梨花はジュニア時代に順位の変動がかなり激しい選手でした。
得点源の「トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)」が不安定だったことが主因です。

成功したときの精神状態や心理状態。
失敗したときの精神状態や心理状態。

紀平梨花は試合経験を積むなかで、その「事実」を踏まえ、高難度ジャンプを跳ぶコツをつかんでいったのでしょう。
失敗にとらわれず、あくまで成功と対比しつつ、自分にとっての理想的な精神状態や心理状態を導き出しました。
それにより、勝つべくして勝つことが可能になります。

そして、そのためには事実を正確に記憶することが前提となります。
実際には難しいので、紀平梨花はノートなどに記録します。
(若い世代ですから、紙媒体を使っていないかもしれません。)
なるべく時間を置かずに書き留め、かならず振り返る。

紀平梨花はこの地道な作業を通じ、試合に臨むメンタルコンディションを整える独自の流儀を編み出していきました。
そのタイミングがジュニアからシニアへの移行期、つまり今シーズンに当たりました。
濱田美栄コーチでさえ読めなかった大ブレイクでした。

「失敗から学ぶ」とよくいいますが、失敗の経験を成功へ反映させられる人は一握りです。
私を含め、たいてい似たような失敗を繰り返して一生が終わります。

反省より内省、自己分析が深い

反省より内省。
紀平梨花は「自己分析」が的確で深いように思います。
それが緊張の高まる試合でのミスを冷静にリカバーする「修正力」にもつながります。
そもそも反省などサルでもできるわけで、私は反省を繰り返すうちに70歳を迎えようとしています。

世界の大舞台で頂点に立つには「頭のよさ」が必須になります。
紀平梨花はこの点においても際立っています。
だれかに教わるのでなく、自ら粘り強く考える力が突出しています。
おそらく「自問自答」が習慣になっているのです。

さらに、この子は勝負師にふさわしいシビアな「リアリスト」の側面も持っているように感じます。
願うだけ、追うだけでは「夢」は叶えられません。

世界選手権など大舞台ほど強い

先に挙げた大舞台のうち、オリンピックだけは4年に1回の開催になります。
わずかな体形変化や体重増加などで得点源のジャンプに狂いが生じる繊細なフィギュアスケーターにとって長いスパンといえます。
オリンピックの金メダルはピークが重なった選手が獲得するという運の要素が大きい。
とくに女子選手はそうです。
したがって、成長期を迎えている紀平梨花については先行きがどうなるかを見通せません。
(このブログで述べていますが、私は壁にぶつかっても乗り越えられると思っています。)

しかし、毎年開催のGPファイナルや世界選手権は勝つべくして勝つことのできる紀平梨花が得意とする大会のはずです。
いまではジャンプを中心とした技術要素点(TES)に加え、表現力などによる演技構成点(PCS)でも世界トップクラスになりました。
私は期待せずにはいられません。

ファンは応援している選手が優勝を収めるとうれしいものです。
が、点数と順位がすべてと思っているわけではありません。
重圧のかかる本番で至難でしょうが、何より選手が演技を楽しんでほしいと望んでいます。

紀平梨花はそれができる選手と私は考えています。

(1月16日執筆)

category:紀平梨花ブログはこちら。

◆書き加え(1月20日)

本田真凜と紀平梨花に大きな差

「反省」という言葉はとても使うのが難しい。
その気になってしまうところが怖い!

反省は、多分に情緒的です。
したがって、まま「涙」がともないます。
人は涙を流すといくらか気持ちが晴れ、再びやる気が湧いてきます。
しかし、何かが変わるわけでありません。
同じ失敗を繰り返して涙を流します。

内省は、多分に分析的です。
敗北(失敗)と向かい合い、その原因を自らの言葉で明確に表そうとします。
目に見えた成長(進化)は内省によってしかもたらされません。
私は16歳の紀平梨花が失敗後に語る自己分析がきわめて「具体的」であることに驚かされます。
表情にあどけなさを残しているのに、この子はとんでもなくすごい。

私は戦後生まれの男ですから涙を流しませんが、反省を繰り返してもほとんど何も変えられずに70歳を迎えようとしています。
このザマです。

ともに素晴らしい才能に恵まれながら、本田真凜と紀平梨花に大きな差がついた原因もこの辺りにありそうです。

反省は、私みたいな凡人がやることです。
上に立つ、まして頂点に立とうとする人がやることではありません。

◇◆◇

紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年1月19日「魂が救済される滑り・・・紀平梨花は美しい」はこちら。

⇒2019年1月13日「紀平梨花は4回転ジャンプ競争元年に笑顔」はこちら。

⇒2019年1月9日「紀平梨花は米国合宿へ、ブラッシュアップと滑り込み」はこちら。

⇒2019年1月8日「紀平梨花は期待の重圧に寝つかれず」はこちら。

⇒2019年1月6日「紀平梨花はコスチュームにセンスとこだわり」はこちら。

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プロフィール
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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。クライアントとともに77歳までに百社の設立を目指す(内、自ら11社)。

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