私はわりと最近まで、脇目も振らず突っ走ってきた。
一度も立ち止まっていない。

しかし、頑張ろうという意志、頑張らなくてはという義務感を持っていたわけでない。
家族の生活を守るといった意識もなかったのでは…。
自然に頑張れた。
したがって、それが凄いと思ったことはない。
当たり前だった。

ところが、50代半ばを過ぎた頃からそれが急に難しくなった。
還暦を来年に控えた現在では頑張ろうとしても頑張れない状態が続いている。

私は再婚し、子どもが小さい。
前妻の子ども3人の世話をしてくれた妻は今後が長い。
その心配をしなくてならない。
私はいま人生で一番の頑張りどきを迎えている。

勤続疲労(といっても自営業)と老化が主因となる体力の低下と体調の悪化に苦しんでいる。
テレビに出演していた大橋巨泉だったか、男にも「更年期障害」があると教えられた。
また、「ゲゲゲの女房」の水木しげる(村井茂)の姿に、ここ数年間は自分にとり「スランプ」だったと気づかされた。

私は、家族に頑張ってほしいと頼まれたことはない。
まして、尻を叩かれたことはない。
しかし、妻は私の様子を案じたり、私の仕事振りにイライラしたりしているはずだ。
黙って耐えているが…
私にはその気持ちが痛いほど分かる。

そこで先日、妻と子どものそれぞれに対し、私は「頑張るから…」と、あえて口にした。
はっきり家族に誓うとともに、自分に言い聞かせた。
これ以上、不安を与えたくなかったのだ。
少なくとも胸の内は伝えておこうと…。
子どもは私の目を見て小さくうなずいた。
やはり気にしていたのだ。
ごめん。

私は心の底から家族のために頑張りたいと思う。
それはおそらく、だれにとっても最大の喜びでなかろうか。

暗いトンネルを早く抜け出したい。

Copyright (c)2010 by Sou Wada

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