コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

自動車革命

東京モーターショーは今回限り

このブログで取りあげた「第41回東京モーターショー」。
世界不況の直撃、日本市場の縮小を背景に、海外勢が出展を見送った。
輸入車ファンは足を運んでも意味がない。
55年の歴史で最小規模の開催。
出品会社、出品車両、展示面積、いずれも大幅な減少。

経営教本0477私は先頃、新聞で知り、絶句!
第41回東京モーターショーは惨敗、いや壊滅だった。
このブログで「1991年に2百万人を超えた入場者は、百万人を超えられるか微妙な情勢」と述べたが、61万人強に…。
2007年の第40回は143万人弱。
そこから57パーセント減。
1954年の第1回は55万人弱。
最初の水準に限りなく近づいた。
入場料無料を小学生から中学生まで拡大したものの、焼け石に水だった。

主催の日本自動車工業会は頭を抱え込んだことだろう。
これで東京モーターショーは世界3大モーターショーの地位から完全に転落した。
だが、この先はさらに規模が縮小していく?
経営教本0478会場も狭くなり会期も短くなるようだと、お仕舞い…。
すでに世界は日本市場にそっぽを向いており、近い将来、継続も危うくなりかねない。
次回(42回)以降、黄信号が点滅!

実際、第41回東京モーターショーは来場者の評価がまったく振るわなかった。
「不満」どころか「失望」の声が目立つ。
経費削減の一環で、会場に彩りを添えてきたコンパニオンが激減。
豪華な演出も消滅。
経営教本0479こうした催事イベントには、レジャーやエンタテイメント、ホスピタリティの要素が欠かせない。
これまでの賑々しさに馴染んできたファンは、拍子抜けするほど寂しさを感じたのでないか。

私は、内容としては斬新な提案を含んでいただけに残念…。
ガソリンエンジン(内燃機関)から電気モーターへ。
自動車産業の歴史的転換期にふさわしい、エコカー市場の覇権をかけた意欲作が披露された。
しかし、第41回東京モーターショーは盛りあがらなかった。

この先、クルマメーカーなどが再び大きなコストをかけられるようになることは望み薄。
ならば、それを前提にして東京モーターショーの理念・目的・機能・効用、そして運営全般を考え直さなければならない。
経営教本0480私は思う。
小さいなら、小さいで、開き直れ!
尖った特徴を打ち出し、主要海外市場のモーターショーと明確な差別化を図っていくべきだ。
もはや規模では太刀打ちできないのは明白なのだから…。
右肩上がりの時代の発想に頼った東京モーターショーは今回限りだ。
日本の矜持を示してほしい。

東京モーターショーに関するブログは以下のとおり。
⇒10月22日「東京モーターショー、転落!」はこちら。
⇒10月24日「エコカー比べ…東京モーターショー」はこちら。
経営教本0481⇒10月25日「第41回東京モーターショー評価」はこちら。
⇒11月2日「トヨタのクルマは空を飛べ…東モ評価」はこちら。

「自動車革命」および「自動車産業・業界・市場予測」に関するブログは以下のとおり。
⇒10月26日「トヨタはいらない…自動車革命」はこちら。
⇒10月27日「トヨタ系部品メーカー、総入れ替え?」はこちら。
⇒10月29日「国民の暮らし崩壊…自動車革命の衝撃」はこちら。
⇒10月30日「過去の栄光…自動車メーカー凋落!」はこちら。
経営教本0482⇒11月1日「白物家電へ…自動車周辺市場も壊滅!」はこちら。
⇒11月2日「トヨタのクルマは空を飛べ…東モ評価」はこちら。

なお、自動車周辺市場とは、カーメンテナンス市場、カーリペア市場、カー用品市場、ピットサービス市場、中古車市場、カーレンタル(レンタカー)市場、カーシェアリング市場、ガソリンスタンド(サービスステーション)市場など。
経営教本0483自動車革命(EV化)にともない、これらのビジネスや事業が激しく縮むか成り立たなくなる可能性がある。
あわせて、膨大な雇用が消える。

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三菱UFJ20091118


白物家電へ…自動車周辺市場も壊滅!

「きのうの続き」のはずが、おとといの続き。
ごめんなさい。
私は、NHKスペシャル「自動車革命」の内容にいろいろ考えさせられた。
クルマはガソリン自動車から電気自動車(EV)へ。
要は、電化製品。
再建屋雑記帳0912モーターとバッテリー(電池)があればつくれる。
部品の点数が1割に減少し、製造の工程がひどく簡素になるから、価格は大幅に下落する。
日本経済を背負ってきた自動車産業が歴史的な転換期に差しかかっている。

さて、自動車革命は私たちのクルマとの関わりに大きな変化をもたらす。
憧れやこだわりといった思い入れが、クルマからきれいに剥がれ落ちる。
再建屋雑記帳0913生活の道具・手段以上の意味や価値を見出せなくなる。
電気自動車は、冷蔵庫や洗濯機といった白物家電へ…。
10万円台が珍しくない?
当然、使い潰す(乗り潰す)。

一般に、家電を手入れしない。
クルマは汚れっ放しにする。
かつて、手洗い洗車やボディコーティング、ホイール磨きなど、エステティックみたいな多彩なメニューがあった。
再建屋雑記帳0914クルマは傷みっ放しにする。
かつて、ボディにわずかなキズやヘコミができただけでも大騒ぎしてその都度直していた。
「洗車QQ隊」などのカーメンテナンスや「カーコンビニ倶楽部」などのカーリペアの事業はしぼむ。

ましてオプションパーツはつけない。
かつて、クルマにカスタマイズやドレスアップを施して個性と称していた。
再建屋雑記帳0915「オートバックス」や「イエローハット」、「ジェームス」などのカー用品販売やピットサービスの市場は縮む。

むろん、もっとも変わるのは新車。
「いつかはクラウン」。
クルマは名前が消え、記号で表される。
あわせて車種が整理され、しかもフルモデルチェンジ(FMC)のサイクルが長期化する。
再建屋雑記帳0916新車の変化につれ、買い替え時の処分(下取り)を前提とした「ガリバー」や「アップル」、「T−UP」などの中古車のビジネスはしぼむ。
新車を乗り潰すから、タマ(商品)の仕入れも難しくなる。
さらに、新車の価格下落が中古車ビジネスを追い詰める。

家電にマイはつけないので、「マイカー」は死語になる。
家電に愛情は感じないので、「愛車」は死後になる。
そんな時代が到来するのかもしれない。

再建屋雑記帳0917自動車産業は新車の製造と販売はもとより、購入後の利用に連れ添うアフターマーケットが壊滅状態となる。
無数の周辺事業者が再編や淘汰の大波に洗われる。
大衆の欲望を増殖させることで戦後長らく発展を謳歌した自動車産業は未曽有の困難に直面しようとしている。
自動車革命は私たちの雇用や所得に大きな影響を及ぼす。

ところで、所有(購入)から利用へ。
私たちは価値観が様変わり。
この潮流は確実なので、レンタカーやカーシェアリングは有望に思える。
再建屋雑記帳0918しかし、それはクルマが高額商品でありつづける限り?
家電製品の値段のような電気自動車が出現したとき、ビジネスとして成り立たなくなりそう。

                       ◇

だいぶ前からガソリンスタンド(サービスステーション)は減少の一途。
ハイブリッド(HV)、そして電気自動車が普及しはじめると、店仕舞いが相次ごう。
再建屋雑記帳0919ガソリンスタンドは、ガソリンやサービスといった商品を失うのだから…。
それにより給油が不便になり、ますますガソリン自動車が売れなくなる。
そうしたインフラが衰退すると、電気自動車への流れは決定的に!

続きは、あした(恐らく)。

なお、NHKスペシャル「自動車革命」第1回についての感想は以下。
⇒10月26日「トヨタはいらない…自動車革命」はこちら。
⇒10月27日「トヨタ系部品メーカー、総入れ替え?」はこちら。
また、NHKスペシャル「自動車革命」第2回についての感想は以下。
⇒10月29日「国民の暮らし崩壊…自動車革命の衝撃」はこちら。
⇒10月30日「過去の栄光…自動車メーカー凋落!」はこちら。

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国民の暮らし崩壊…自動車革命の衝撃

私は2週にわたりNHKスペシャル「自動車革命」を見た。
ガソリンから電気へ、クルマが歴史的な転換期を迎える。
第1回目と異なり、第2回目に驚いた。
再建屋雑記帳0891現実がそこまで進んでいることを知り、強烈なショックを受けた。
それは輸出型産業、それも「自動車産業」に依存してきた日本の一大事だった。
今後の凋落は決まり?
私は絶望的な気分…。

自動車産業は、自動車メーカーが頂点に立ち、その下に大手部品メーカー、下請け企業、孫請け町工場が裾野をつくるピラミッド型だ。
全就業人口の8パーセント、5百万人以上が働く。
再建屋雑記帳0892日本の経済を支えているといっても過言でない。
このオバケ産業がかつてない危機に直面している。
当然、雇用も壊れる。所得も減る。
私たちの暮らしが成り立たなくなる日はすぐそこ…。

深刻なのは、無数のクルマ部品メーカーも同じ。
すでに倒産が急増している。
クルマの動力は、ガソリンエンジンから電気モーターへ。
再建屋雑記帳0893電気自動車(EV)は、部品の点数がガソリン自動車の10分の1で済んでしまう。たった1割。
クルマの仕組みが極端に簡素化されるためだ。
しかも、電気部品や電子部品に置き換えられるものが少なくない。
さらに、エンジン回りが高温にならないので、鉄などの金属にこだわらなくてよい。
部品以前に素材自体が抜本的に見直される。
鉄板に覆われたボディを走らせていたことが、やがて笑い話になるのか。

電気自動車では、これまでのクルマ部品メーカーのなかで蚊帳の外に置かれるところが続出する。
再建屋雑記帳0894加えて、中国など新興国が品質面で追いついてきた。
かつてのように「安かろう悪かろう」でない。
日本勢はきわめて厳しい戦いを強いられる。

クルマ部品メーカーには、受注激減どころか受注消滅の嵐が吹き荒れそう。
「座して死を待つわけにいかない…」。
経営トップがそう考え、「脱下請け」の動きが一気に表面化してきた。
再建屋雑記帳0895遅い! 新分野や新市場に打って出るのがあまりに遅い!
自動車市場に依存しきり、危機感が欠落。
どうせ目論見どおりにいかない。
長らく下請け体質に染まっていた企業が、大変という理由で簡単に変われるだろうか。
冷静に眺めると、中小・中堅のクルマ部品メーカーは、営業部隊が確立していないか、営業能力と営業技術が貧弱である。
再建屋雑記帳0896慌てて営業を鍛えるとして、それが十分に機能するようになるまで、はたして会社が持ち堪えられるか。
かなりのクルマ部品メーカーは、淘汰や再編の大波に飲み込まれる?

ハイブリッド(HV)で先行したトヨタ自動車、そして日本の自動車メーカー。
環境重視のクルマづくりはおおいに評価されてよい。
それは、ガソリン自動車から電気自動車への転換を後押しした。
再建屋雑記帳0897いまや世界の揺るぎないトレンドになった。
が、その結果、自動車産業は垂直統合型から水平分業型へ。
いわゆる“業界”の壁が取り払われ、際がなくなろうとしている。
それは、業界が失う利益である。
戦後長い歳月をかけて築かれたピラミッド構造が崩壊する日が目前に迫る。
自動車革命が、関連する企業はもとより就業者に与えるインパクト(衝撃)は想像を絶するほど大きいのでないか。

実は、自動車産業のピラミッドの崩壊は、裾野に位置するクルマ部品メーカーだけでなく、頂点に陣取る自動車メーカーにとっても存続を危うくするはず。
私は、水平分業は「販売」に波及すると考えている。
再建屋雑記帳0898カーディーラーは生き残れないのでは…。
とりわけチャネルの充実したトヨタ自動車は地獄を見る。
このブログで幾度も述べてきたが、なぜ1日も早く「トヨタ店」「ネッツトヨタ店」「レクサス店」の3系列に再編・集約しないのか、まったく理解に苦しむ。

続きは、あした。

なお、NHKスペシャル「自動車革命」第1回についての感想は以下。
⇒10月26日「トヨタはいらない…自動車革命」はこちら。
⇒10月27日「トヨタ系部品メーカー、総入れ替え?」はこちら。

                       ◇

やはりこのブログで幾度も述べたとおり、私は昨秋来、社長や取締役を対象とした「個別経営相談」に力を入れている。
web営業相談室従業員百名〜千名の中小・中堅クラスを中心に、すでに70社以上が訪れている。
実は、相談者で目立つのが部品メーカー、とりわけクルマ部品メーカーの経営トップである(ほかに人材派遣会社、なかでも製造業関連が多い)。
中国などの新興国市場の好調に引っ張られるかたちで輸出が回復してきたが、以前の再建屋雑記帳0887水準に遠く及ばない。
しかも相談者の大半がこの先も厳しい業績見通しを持つ。
もはや営業担当者が既存顧客に対する「顔出し⇒御用聞き⇒見積書提示」のルーティンに留まっては、会社が回っていかない。
経営トップは営業のテコ入れに本腰を入れるべきだろう。

テーマは、「これでいいのか、うちの営業? 収益確保・業績拡大のための営業見直し」
私が再建屋としての豊富な経験と実績に則して、1社ごとに最大2時間の無料相談に応じている。
⇒詳しいカラーパンフレットはこちら(引受条件あり)。
また、事前に「電話相談」もお受けしている。
どうか気軽にお申し込みいただきたい。

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無料個別相談会20091111









トヨタはいらない…自動車革命

私は2週にわたりNHKスペシャル「自動車革命」を見た。
第1回目に驚くほどの情報はない。
再建屋雑記帳0878これまで断片的に語られてきたことを、世界最強のクルマメーカー・トヨタ自動車を例題に引きながら検証し、確認するという趣旨。
が、それなりに面白かった。
民放が制作費の縮小に苦しむ昨今、こうした番組はNHKでなくては難しくなった。

明日へのヒント 奥田碩さて、エコカー市場で先行し、圧倒的な優位に立つトヨタ自動車。
にもかかわらず豊田章男社長は記者会見で、「21世紀にトヨタはいらない。そうお客さまが考えるのか…」と、危機感をあらわにした。
確かに、企業の存続を決めるのは顧客である。
再建屋雑記帳0879自ら「トヨタ不要論」を切り出した。
創業家出身の社長ならではの凄まじい丹力!
実際、世界中のライバルが相次いでエコカーの開発・生産に乗り出した。
その最大の標的は、むろんトヨタ。

地球温暖化、資源枯渇…。
石油の時代が行き詰まりを見せている。
再建屋雑記帳0880ガソリンから電気へ、いままさにクルマの主役の座が変わろうとしている。
変化のスピードについていけなければ、世界的なクルマメーカーでさえも市場競争からすぐに脱落する。
カギを握るのは、環境技術の大幅な向上だ。

経営◇勝ち残りの条件2トヨタ自動車は「プラグインハイブリッド(PHV)」を戦略車と位置づけ、その投入に全力を傾けている。
従来のハイブリッド(HV)との相違点は、ガソリンと電気の力関係が逆転したこと。
実質的な電気自動車(EV)に近づいた。
モーターだけで走る電気自動車の時代が来るのは、もう少し先と読んでいる。
トヨタはプラグインハイブリッドを磨き、やがてガソリンエンジンを外す予定。
再建屋雑記帳0881ハイブリッドの成功体験が、電気自動車開発の足かせになることはないのか…。
もっとも、リチウムイオン電池の開発に余念がない。
バッテリーを制する者が自動車革命を制する?

続きは、あした。

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SMBCコンサルティング20091112





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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

その他の役職
面白くないジョークの会会長 

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