クルマはアクセルを踏むと走り、ブレーキを踏むと止まる。
いずれに不具合が生じても、命が脅かされる。

私の出張中、トヨタ自動車が大変なことになっていた。
主力車種に両方の不具合が見つかり、リコール騒動が北米、欧州、中国、そして日本に広がった。
しかも、発表と説明が遅れ、ユーザーの不信感を募らせた。
トヨタ車の品質と安全に関する神話が崩れ、ブランドイメージが傷ついた。
トヨタは数十カ国で無償改修を行う。

驚きは、看板のハイブリッド車「プリウス」がリコール対象に加わったこと。
ABSの作動時にドライバーがブレーキの利きが悪くなるように感じる。
トヨタは当初、そうした設定と押し切ろうとしたが、ユーザーの不安と不満の声に押されて電子制御を見直す。
要は、ブレーキのプログラム(ソフトウエア)を更新する。

トヨタは、豊田章男社長の会見が遅すぎた。
対応が後手に回り、傷口を広げてしまった。
短期間での信頼回復は絶望的だろう。
数年で世界販売を倍増させた快進撃は終わった。

北米のディーラーでは、トヨタ車の購入キャンセルが相次いでいる。
長らくわが世の春を謳歌してきただけに、ここぞとばかり叩かれている。
国を挙げてのトヨタバッシングがエスカレートし、GMなどの再建に強い追い風が吹きはじめた。
日本車の信頼性は米国車よりはるかに高いはずであり、ヒステリックな反応といえなくもない。
何せ故障が断然少ない。

日本では、プリウスは1月の新車販売ランキングでぶっちぎりの首位。
これで8カ月連続。
が、2月以降、新規受注に急ブレーキがかかるか。
さらに、膨大な受注残についてもキャンセルが入るか。

トヨタは世界で販売が激減、業績が悪化しそう。
早速、東京株式市場で株価が急落している。

私が乗っていてもっとも安心感を持てるのは、トヨタ車だ。

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