「景気対策」。
****の一つ覚えでも、有権者の受けは悪くない。
麻生内閣と自民党が支持率向上の手応えをつかんだ。
総理大臣のはしゃぎ振りは子どものよう。
これまでの自信を喪失した表情が一変。
未曽有の不況には、「みぞうゆう」の景気対策をと言わんばかり!
中身が粗末なせいか、規模の立派さをやたら強調している。
いよいよ日本政府は大盤振る舞い、総額15兆円に迫ろうかという財政出動へ。
見栄えのよさそうなものをかき集め、また声をかけられるところに洗い出させ、ずらりと並べ立てた。
時間が限られていたとはいえ、あまりに知恵が乏しい。
例えば、何かを買えばカネを付けてくれる、また計画もないのにカネを割り振ってくれる。
需要の先食いや使い道の捻り出しにより景気の底割れを防ぐのだろう。
当事者はとりあえず得られるので、これといった反対はしない。
しかし、大事なのは、どのような波及効果をどれくらいもたらすか。
それが不透明な財政出動は所詮“ばら撒き”でしかない。
せいぜい投じた金額分の景気浮揚が図られるというのでは…。
私は思う。
総理は重大な決断について、記者へ立ち話でお茶を濁すのでなく、国民へ演台からメッセージを発するべき。
「景気は経済の天気である。
きょうは雲一つない快晴でも、あすは一寸先も見えない土砂降りになるかもしれない。
景気は変動を繰り返す。
好況期の後にやって来るのは不況期である。
分かりきったことなので、企業も個人も自己責任と自助努力で乗り切ってほしい。
好況期には、来る不況期に備えて力を蓄えておくよう。
ただし、今回は経済災害なので、国の責任において例外かつ一時的な措置として被災者の救済を行う」。
こうした声明を端折ると、誤解や甘えが生まれないか。
企業や個人が不況期になるたび、特別の計らいを当てにするようになる。
それと、もう一つ。
総額の大きさは借金の凄さである。
わが国はすでに借金まみれ。
そして、借金の最大の問題は返済しなければならないこと。
「大胆な財政出動に踏み切るが、あまり喜ばないでほしい。
補正予算とは、急場しのぎの借金である。
返すのは、私でも政府でもなく、あんた」。
…私は老いてしまい、先行きが長くない。
したがって、私が返せなかった分まで次世代に背負わせることになる。
しかも、日本は少なくとも半世紀は大幅な人口減少が続く。
借金の総額を次世代の頭数で割ると恐ろしい。
さらに、毎年返しても一人当たりの借金が減らないという事態が起こる。
この国では親は子に、教師は生徒にこう述べるほかにない。
「私が借りるので、君たちが返しなさい」。
心が痛む。
◇
なお、本日のテーマについて、もう少し詳しく、あるいはもう少し掘り下げて語っている。
******************
講演TV(社会編)
間抜けな財政出動へ
※7分50秒。
******************
これは、2009年4月14日(火)の「和田創ブログ」に若干のアレンジを加えたものである。
Copyright (c)2009 by Sou Wada
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****の一つ覚えでも、有権者の受けは悪くない。
麻生内閣と自民党が支持率向上の手応えをつかんだ。
総理大臣のはしゃぎ振りは子どものよう。
これまでの自信を喪失した表情が一変。
未曽有の不況には、「みぞうゆう」の景気対策をと言わんばかり!
中身が粗末なせいか、規模の立派さをやたら強調している。
いよいよ日本政府は大盤振る舞い、総額15兆円に迫ろうかという財政出動へ。
見栄えのよさそうなものをかき集め、また声をかけられるところに洗い出させ、ずらりと並べ立てた。
時間が限られていたとはいえ、あまりに知恵が乏しい。
例えば、何かを買えばカネを付けてくれる、また計画もないのにカネを割り振ってくれる。
需要の先食いや使い道の捻り出しにより景気の底割れを防ぐのだろう。
当事者はとりあえず得られるので、これといった反対はしない。
しかし、大事なのは、どのような波及効果をどれくらいもたらすか。
それが不透明な財政出動は所詮“ばら撒き”でしかない。
せいぜい投じた金額分の景気浮揚が図られるというのでは…。
私は思う。
総理は重大な決断について、記者へ立ち話でお茶を濁すのでなく、国民へ演台からメッセージを発するべき。
「景気は経済の天気である。
きょうは雲一つない快晴でも、あすは一寸先も見えない土砂降りになるかもしれない。
景気は変動を繰り返す。
好況期の後にやって来るのは不況期である。
分かりきったことなので、企業も個人も自己責任と自助努力で乗り切ってほしい。
好況期には、来る不況期に備えて力を蓄えておくよう。
ただし、今回は経済災害なので、国の責任において例外かつ一時的な措置として被災者の救済を行う」。
こうした声明を端折ると、誤解や甘えが生まれないか。
企業や個人が不況期になるたび、特別の計らいを当てにするようになる。
それと、もう一つ。
総額の大きさは借金の凄さである。
わが国はすでに借金まみれ。
そして、借金の最大の問題は返済しなければならないこと。
「大胆な財政出動に踏み切るが、あまり喜ばないでほしい。
補正予算とは、急場しのぎの借金である。
返すのは、私でも政府でもなく、あんた」。
…私は老いてしまい、先行きが長くない。
したがって、私が返せなかった分まで次世代に背負わせることになる。
しかも、日本は少なくとも半世紀は大幅な人口減少が続く。
借金の総額を次世代の頭数で割ると恐ろしい。
さらに、毎年返しても一人当たりの借金が減らないという事態が起こる。
この国では親は子に、教師は生徒にこう述べるほかにない。
「私が借りるので、君たちが返しなさい」。
心が痛む。
◇
なお、本日のテーマについて、もう少し詳しく、あるいはもう少し掘り下げて語っている。
******************
講演TV(社会編)
間抜けな財政出動へ
※7分50秒。
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これは、2009年4月14日(火)の「和田創ブログ」に若干のアレンジを加えたものである。
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