コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

財津和夫

2020年東京オリンピック開催へ…日本の景気

さあ、2020年東京夏季五輪がいよいよ実現します。
おおいに期待しようではありませんか!
招致レースの大詰めの段階で、東京にとり猛烈な逆風となるニュースが連日のように主要国の報道番組で流されました。
東京は、当初から最有力と予想され、ブックメーカーでは現在でも本命です。
しかし、3都市が「横一線に並んだ」というのが関係筋の見方のようです。
私自身は、生きているうちに一度ナマでオリンピックを楽しみたいと願っていました。
また、夏季五輪開催の「経済効果」も巨大であり、東京と首都圏に留まらず、東北から関西、さらに日本全国に広がると考えています。
とくに首都圏はインフラ整備(おもに改修)と都市再開発に弾みがつき、景気が一段とよくなるでしょう。

さて、本日は「営業人」巨大号をお届けします。
「営業の数字をよくする情報誌」という趣旨から外れますが、私が「昭和の不朽の名作」と信じるチューリップ・財津和夫の「青春の影」を取り上げました。
この楽曲に接すると、決まって温かい感動を覚えます。
思い入れが強く、ページ数が増えてしまいました。
渾身の論考です。

「営業人」第24号の「青春の影…愛することへの純粋な情熱」はこちら。

「青春の影」は、いつの間にか私のなかにしっかりと根を下ろしていました。
愛すること、生きることへの純粋な情熱を歌っています。
財津和夫の眼差しは、現実の愛にも、回想の愛にも、やさしく注がれています。
「人を愛するのも自分、人と別れるのも自分。それが人生・・・」。
この楽曲には、懸命に生きる人へのおおらかな包容力があります。
世代を超えて愛されるゆえん。
「セブン‐イレブン」のおでんのCMにも流れました。
どうかご参考になさってください。

◇◆◇ご案内1

実務経験を積んだものの思うような営業成績を上げられないという方を対象に、「営業社員ステップアップ研修」を行います。
営業の基本を再確認しながら、成績優良者の仲間入りを果たすポイントを分かりやすく解説します。
数字が伸び悩む理由がはっきりと分かり、できる営業に変わる気づきに満ちています。
新人・新任のフォローアップ、若手・中堅のブラッシュアップに最適です。
都銀や地銀などの公開セミナーで続々と採用になっています。
お得な謝恩価格にて申し込みを承っています。

◆演題
その成績に甘んじるな。本気で上を目指そう。
営業社員ステップアップ研修
結果を残せる営業へ進化するポイントを解説

◆日時
2013年10月2日(水) 10:20〜16:40
◆会場
丸の内トラストタワー本館20階(JR東京駅日本橋口歩0分)
※東京駅歩1〜3分の別会場になる場合あり。
◆対象
営業経験が比較的浅い営業担当者、技術・サービススタッフ
◆参加費
33,000円(謝恩価格) 44,000円(通常価格)
※1名当たり。教材費・昼食代込。消費税別途。
◆備考
同一内容での企業研修が可能(営業水準の向上に重き)

本セミナーの詳しいご案内と参加のお申し込みはこちら。
「営業社員ステップアップ研修」カラーパンフレット

なお、本セミナーと同一の内容のセミナーを10月16日(水)に「みずほ総合研究所」で行います。

みずほ総合研究所はこちら。
「新任・若手営業担当者の『ステップアップ』実践セミナー」パンフレット

◇◆◇ご案内2

即効性を重視した「和田創 提案営業実践セミナー」を行います。
本物の提案営業と提案書を「事例」と「実際」、「プレゼンテーション」と「ロールプレー」で腑に落とします。
営業力の向上を主眼としており、底上げを目的としておりませんので、ご注意ください。
また、技術・サービススタッフなどの営業戦力化にも最適です。
当日のテキストはバインダー入り、提案書はフルカラーです。
お得な謝恩価格にて申し込みを承っています。

◆演題
本物のケーススタディとローププレーをプラス!
和田創 提案営業実践セミナー
提案営業の進め方、営業提案書のまとめ方を明快解説

◆日時
ご都合のいい日程をお選びください。
2013年10月4日(金) 10:20〜16:40
2013年11月13日(水) 10:20〜16:40
2013年12月4日(水) 10:20〜16:40
◆会場
丸の内トラストタワー本館20階(JR東京駅日本橋口歩0分)
※東京駅歩1〜3分の別会場になる場合あり。
◆対象
社長、営業部・課長、営業所長、営業マネジャー、営業担当者、製造・技術・サービススタッフ
◆参加費
33,000円(謝恩価格) 44,000円(通常価格)
※1名当たり。教材費・昼食代込。消費税別途。
◆備考
同一内容での企業研修が可能(収益強化・伸長に重き)

本セミナーの詳しいご案内と参加のお申し込みはこちら。
「和田創 提案営業実践セミナー」カラーパンフレット

◇◆◇ご案内3

いまや定番となった「営業管理者セミナー」を行います。
営業部門・営業拠点における予算目標達成の急所を解説します。
部下(社員)をつかみ、動かし、育てて、業績をよくするコツがつかめます。
都銀や地銀などの公開セミナーで続々と採用になっており、主催者が驚く高評価を獲得しています。
お得な謝恩価格にて申し込みを承っています。

◆演題
部門・拠点の業績は管理者次第
営業管理者セミナー
動機づけと行動改革、目標管理の手法をずばり解説

◆日時
ご都合のいい日程をお選びください。
2013年10月3日(木) 10:20〜16:40
2013年11月12日(火) 10:20〜16:40
2013年12月3日(火) 10:20〜16:40
◆会場
丸の内トラストタワー本館20階(JR東京駅日本橋口歩0分)
※東京駅歩1〜3分の別会場になる場合あり。
◆対象
社長、支社・支店長、営業部・課長、営業所長、営業マネジャー
◆参加費
33,000円(謝恩価格) 44,000円(通常価格)
※1名当たり。教材費・昼食代込。消費税別途。
◆備考
同一内容での企業研修が可能(業績回復・向上に重き)

本セミナーの詳しいご案内と参加のお申し込みはこちら。
「営業管理者セミナー」カラーパンフレット

◇◆◇ご案内4

毎回大好評を博している「社長の営業活動」セミナーを行います。
優良顧客・大口商談を取り込むコツを明快に指導します。
営業特性から、顧客先の上層部に働きかけなければならない営業担当者にも有益です。
お得な謝恩価格にて申し込みを承っています。

◆演題
社長の営業活動
トップセールスによる大きな数字のつくり方

◆日時
ご都合のいい日程をお選びください。
2013年9月19日(木) 10:20〜16:40
2013年10月23日(水) 10:20〜16:40
2013年11月20日(水) 10:20〜16:40
2013年12月12日(木) 10:20〜16:40
◆会場
丸の内トラストタワー本館20階(JR東京駅日本橋口歩0分)
※東京駅歩1〜3分の別会場になる場合あり。
◆対象
社長など取締役、営業部門長・拠点長・管理者の方々
◆参加費
44,000円(謝恩価格) 55,000円(通常価格)
※1名当たり。教材費・昼食代込。消費税別途。
◆備考
同一内容での企業研修が可能(有力企業の上層部への働きかけに絞り込み。劇的な収益伸長に重き)

本セミナーの詳しいご案内と参加のお申し込みはこちら。
「社長の営業活動」カラーパンフレット

◇◆◇ご案内5

恒例の「社長の打ち手」講演(午後半日)を行います。
最大のテーマは「目標必達のマネジメント」であり、毎回突出した評価をいただいています。
会社の数字をよくするだけでなく、“常勝の営業”をつくる具体策を指導します。
成長持続に強い意欲を持つ取締役にお奨めします。
お得な謝恩価格にて申し込みを承っています。

◆演題
予算達成⇒業績回復へ
社長の打ち手

◆日時
2013年9月18日(水) 13:20〜16:40
◆会場
丸の内トラストタワー本館20階(JR東京駅日本橋口歩0分)
※東京駅歩1〜3分の別会場になる場合あり。
◆対象
社長、営業統括役員、営業本部長、経営企画室長、業務改革推進室長など
◆参加費
22,000円(謝恩価格) 33,000円(通常価格)
※1名当たり。教材費込。消費税別途。
◆備考
同一内容での企業研修が可能(経営層と営業幹部に限定)

本セミナーの詳しいご案内と参加のお申し込みはこちら。
「社長の打ち手」カラーパンフレット

以上。
北海道や九州など、遠方の方にもやさしいロケーションです。
なにとぞ奮ってご参加ください。
(先着順につき、満席の節はなにとぞご容赦ください。)

◇◆◇「営業人」バックナンバー

和田創が不定期で発行する「営業人」が大勢の営業関係者に読まれています。
原稿の叩き台はほとんど新幹線の「のぞみ」の車内でつくり、後日この素材を幾度か練って完成度を高めています。
「営業人」は、売り上げを伸ばすヒントが簡潔に綴られており、社員に配布する社長や営業幹部の方もおられます。
以下にご紹介するのは、いずれも大反響をいただいた記事です。

「営業人」第23号の「営業を学ばせるのは間違い」はこちら。

「営業人」第22号の「経営も人生も目標設定から始まる(特別号)」はこちら。

「営業人」第21号の「道場六三郎のお品書きの感動」はこちら。

「営業人」第20号の「売上改善・業績回復へ2つのアプローチ」はこちら。

「営業人」第18号の「営業の数字立て直しの最大のキモ」はこちら。

「営業人」第16号の「売上を伸ばす“本物の提案営業”の条件(特別号)」はこちら。

「営業人」第10号の「生き残りをかけた提案事例のすごさ」はこちら。

「営業人」第9号の「社員に伝えたい感動の営業事例」はこちら。

「営業人」第7号の「営業管理が目標未達を引き起こす」はこちら。

なにとぞお目通しください。

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心の旅と青春の影…歌詞の意味の解釈

音楽にそれほど関心のない私が聞き惚れてしまうのは、財津和夫の「青春の影」。
かならず胸が熱くなる。
これを聞いたきっかけが何か、時期がいつか思い出せないが、自分のなかにしっかりと根を下ろしていた。
しかも、楽曲が先で、ミュージシャンは後だ。
井上陽水とその楽曲から浴びせられたような鮮烈なインパクトはなかった。

財津和夫は、ニューミュージック系のポップスグループ「チューリップ」のリーダー。
ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がけた。
1948年、福岡市生まれ。
博多はミュージシャンや芸能人を多く輩出する土地柄だ。
私が教育指導の仕事でもっとも訪れた地方都市であり、ここ十年程では年間30日〜60日に達する。
都会性と土着性が溶け合っており、自由と自信に満ちた開放的な風が街なかを心地よく吹き渡る。
私は博多が大好きになった・・・。



さて、貧乏学生の私が授業を放り出し、楽譜取次の松沢書店の一員として飛び回っていた頃、チューリップの楽譜が急に売れはじめた。
インターネットで調べたところでは、3枚目のシングル「心の旅」を出した1973年だったようだ(姫野達也がリードボーカル)。
1974年に「青春の影」と、立てつづけにヒットを飛ばした。

当時、博多から勝負をかけて上京したチューリップ。
ほしくて仕方がなかった世間の注目をようやく手に入れた。
が、「心の旅」のヒットと引き換えにまとわりついたアイドルグループというイメージ。
そこにリーダー・財津和夫の苦悩と葛藤、そしてメンバーの引っかかりがあった。
おそらく、人に深さを与えるため、人生は思うとおりにならないようにできている。

財津和夫が軌道修正を図りたくて世に問うたのが「青春の影」だった。
アイドルが歌う楽曲にもっとも大事なのは、大衆にとっての分かりやすさである。
皆が一度聞けば親しみを持てること。
「心の旅」はそうだ。

ところが、「青春の影」は人の内面へ潜り込んだ。
楽曲に哲学というか思想性をしのばせた。
それはチューリップとしての原点回帰だった。
ゆえに、青春の影は最初から受け入れられたわけでない。
心を込めてライブで歌いつづけるうち、徐々に共感と支持の輪を広げていった。

チューリップがヒットを飛ばした結果、初めて持つに至った余裕の裏返しとも見なせよう。
それがこの楽曲に、若さに似合わない堂々たる風格をもたらした。
「心の旅」と同様に愛情をテーマとしているものの、「青春の影」は人生の営みに通じる。

心の旅はストレートなラブソングだ。
愛する人を故郷に残し、自らの意志を貫いて上京する。
これが永遠の別れになりそうと、互いに思っている。
未練を断ち切り毅然と旅立つ男に、女は諦めるしかない。
最後の夜、二人は激しく愛し合う。

青春の影もラブソングだが、深い。
人間的な成熟が感じられる。
財津和夫が20代半ばで書きあげたことに驚かされる。
私は、昭和を代表する名曲の一つだと思う。

歌詞の1番をそのまま受け取れば、愛する女性と生涯をともにする決意を固めた男の歌である。
2番の終わりは、プロポーズに向かう途中に湧いてきた、あるいは噛み締めた大人への自覚だろう。
青春の影の「影」は、青春を過去に押しやるとの思い、そして惜別の念か…。
いよいよ青春時代の幕を下ろし、家庭生活の扉を開ける。
愛のあり方もこれまでとは変わっていく。
二人の旅が始まるのだ。
それは途方もなく長いデコボコ道(ロング・アンド・ワインディング・ロード)。

自分を振り返るなら、つきあいと同棲が長かった私と妻(前妻)は機が熟するように結婚へ進んだ。
が、挙式では、独身を手放す喪失感と所帯を構える責任感が一気に押し寄せた。
形容しがたい感慨があった。
私にも妻にも大きな区切りだった。

青春の影は「心の旅」に出た後の人生のドラマと主人公の成長を歌っているのか。
財津和夫自身の経験を土台にしたものかどうか、私は分からない。
内容としては、ポジティブかつハッピーである。
雄々しくもある。

しかし、そうした解釈だと、どうも面白くない。
この楽曲の魅力がするりと逃げていく。
全体からにじみ出る“切なさ”もうまく説明できない。

私は、財津和夫は「謎」を残したかったのでないかと思う。
心の旅の歌詞と同様、青春の影の歌詞の1番は明快だ。
意味を取り違えようがない。
が、一転して2番が分かりにくい。
なかでも前半と最後の2箇所にキーフレーズが置かれている。
財津和夫は“余白”を忍ばせた。
鑑賞者への贈り物か。
曲名も謎を深めるのに一役買っている。

歌詞の1番と2番にそれなりの時間が横たわっていると考えると、違った解釈ができそうだ。
すなわち、出会い、愛、別れ…。
愛のかけがえのなさと厳しさ、まっとうの難しさ…。
それでも人はときを刻み、道を歩みつづける。
財津和夫は、愛すること、生きることへの純粋な情熱を綴った、大きな悔いさえ受け入れながら…。

作者が世の中に作品を送り出せば、独り歩きする。
鑑賞者は気ままに楽曲を楽しむ。
解釈に白黒をつける必要はなかろう。
頭で音楽を聞くなど邪道…。

作者といえども、作品のすべてを理解しているわけでない。
それ以前に、意図が伝わるとは限らない。
そもそも作者はヒットをつくれない。
受け手のさまざまな思いが塗り込められ、作品の世界が膨らんでいった結果である。

私自身は、失恋を歌った楽曲と捉えるほうがイマジネーションは広がる。
また、一層、心に染み入る。
実際、青春の影に接し、人をまっすぐに愛した記憶がよみがえったり、それゆえの失恋の痛手を癒されたりする方も多いのでないか。
単に結婚に至るストーリーだったら、大ヒットはなかった。
プロポーズソングやウェディングソングとして多用されただろうが・・・。

青春の影の凄みは人により、さらにそのときどきで異なった受け止め方を、しかも何の違和感もなくできてしまうことだ。
財津和夫の眼差しは、現実の愛にも、回想の愛にも、やさしく注がれている。
人を愛するのも自分であり、人と別れるのも自分である。
それが人生…。
この楽曲には、懸命に生きる人へのおおらかな包容力がある。
世代を超えて愛されるゆえん。

青春の影は、深い愛情は当然として、重い責任をともなう結婚へ踏み出そうとする心情を歌いあげた。
平凡をよしとする覚悟も・・・。

そうしたとき、結婚に至らなかった相手との愛がよぎるかもしれない。
私たちは人生の節目に、それまでのさまざまな出来事を喜びや幸せ、悲しみや苦しみなどの記憶とともに重ね合わせる。

青春の影には、おめでたい席(結婚披露宴)で歌うのをためらわせるような深みがある。
歌うとしたら、新郎。
ほかにぜひともというなら、新郎を見守ってきた熟年カップルの男性か。

なお、4タイプしかない血液型を引き合いに出すと叱られそうだが、O型のよさがいかんなく発揮されている。
楽曲の底に保守的な安心感が流れる。
それが聞く者をじんわりと揺さぶる。
青春の影はやはり不朽の名作でなかろうか・・・。

Copyright (c)2013 by Sou Wada

青春の影、歌詞の意味、求愛・結婚ソングのお墨付き

博多じまん(九州新幹線版)歌手(ミュージシャン)や役者、お笑い、タレントなど、多くの芸能人を輩出する福岡(博多)。
私がもっとも頻繁に訪れる地方都市であり、大好きだ。
単身赴任者に最大人気となっている(不確か)。
先ごろ九州新幹線が全線開通し、九州地方における一極集中にさらに拍車がかかりそうだ。

おとといのブログに続いて・・・。

⇒2011年6月10日「武田鉄矢の武勇伝…福岡出身タレント・芸能人」はこちら。

私は5日間の福岡出張の帰り、新幹線の博多駅で明月堂の「博多じまん」を買い求めた。
人気と知名度では明月堂の「博多通りもん」だが、家族がそちらを希望した。

⇒2011年3月5日「博多通りもん、福岡土産一番人気の秘密」はこちら。

⇒2011年2月18日「博多じまん、人気の福岡土産のうまさ…明月堂」はこちら。

俗っぽい味を好む私はもちろん「博多じまん」。

                       ◇

さて、その昔、福岡から勝負をかけて上京したチューリップ。
ほしくて仕方がなかった世間の注目をようやく手に入れた。
それが「心の旅」のヒットだった。
しかし、引き換えにまとわりついたアイドルグループというイメージ。
そこにリーダー・財津和夫の苦悩と葛藤、そしてメンバーの違和感があった。

おそらく、人に深さを与えるため、人生は思うとおりにならないようにできている。
財津和夫が軌道修正を図りたくて問うたのが、「青春の影」だった。
アイドルが歌う楽曲にもっとも大事なのは、大衆にとっての分かりやすさである。
皆が一度聞けば、親しみを持てること。
「心の旅」はそうだ。

ところが、一転して「青春の影」は、人の内面へ潜り込んだ。
哲学というか思想性がにじむ。
それは、チューリップとしての原点回帰だった。
ゆえに、この楽曲は最初から受け入れられたわけでない。
心を込めてライブで歌いつづけるうちに、徐々に共感と支持を広げていった。

しかし、それはチューリップがヒットを飛ばした結果、初めて持つに至った余裕の裏返しとも見なせよう。
それが「青春の影」に、若さに似合わない、堂々たる風格をもたらした。
「心の旅」と同様に愛情をテーマとしているものの、「青春の影」は人生の営みに通じる。
私は不朽の名作だと思う。

ところで、「青春の影」はなぜヒットしたか?
むろん、“別れ”を癒やしてくれる楽曲と受け止めた人がいたからだ。
自分がどう感じたか、それがすべて。
「青春の影」は、愛に留まらず人生の高揚と尊さを歌っている。
この曲名と歌詞の意味をどのように解釈するか、その答は聞く人それぞれの愛と人生のなかにあるはずだ。

とはいえ、以前、私なりに財津和夫の「青春の影」について考えたことがある。
以下に紹介しよう。

                       ◇

私は音楽にほとんど関心がないが、財津和夫の「青春の影」に惹かれてきた。
まれに耳にする機会があると、決まって胸が熱くなる。
きっかけが何か、時期がいつか思い出せないが、自分のなかに根を下ろしていた。
しかも、楽曲が先で、ミュージシャンは後だ。
井上陽水とその楽曲から浴びせられたようなインパクトはなかった。

貧乏学生だった私が授業を放り出し、楽譜取次の松沢書店の一員として飛び回っていた頃、チューリップの楽譜が急に売れはじめた。
それは3枚目のシングル「心の旅」を出した1973年だったようだ(姫野達也がリードボーカル)。
チューリップは1974年に「青春の影」と、立てつづけにヒットを飛ばした。

「心の旅」はストレートなラブソングだ。
おそらく愛する人を故郷に残し、自らの意志を貫いて上京する。
これが別れになりそうと、互いに思っている。
どこか切ない。
「青春の影」もラブソングだが、深い。
人間的な成熟が感じられる。
私は財津和夫が20代半ばで書きあげたことに驚かされる。

歌詞の1番をそのまま受け取れば、愛する女性と生涯をともにする決意を固めた男の歌である。
2番の終わりは、プロポーズに向かう途中に湧いてきた、あるいは噛み締めた大人への自覚だろう。
「青春の影」の「影」は、青春を過去に押しやるとの思い、そして惜別の念か…。
おそらく青春時代の幕を下ろし、家庭生活の扉を開ける。
愛のあり方もこれまでとは変わっていく。
二人の旅が始まるのだ。
それは途方もなく長いデコボコ道…。
ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード。

自分を振り返るなら、つきあいと同棲が長かった私と妻(前妻)は機が熟するように結婚へ進んだ。
が、挙式では、独身を手放す喪失感と所帯を構える責任感が一気に押し寄せた。
それは形容しがたい感慨だった。
二人にとり、非常に大きな区切りになった。
私はこれを境に狂ったように働きはじめた。
高校2年から虚無感に苦しんできたので、劇的な変化は自分でも不思議だった。

話を戻し、「青春の影」は「心の旅」に出た後の人生のドラマと主人公の成長を歌っているのか。
それが財津和夫自身の経験を土台にしたものかどうか、私はまったく分からない。
内容としては、ポジティブかつハッピーである。
雄々しい。

が、そうした解釈だと、どうも面白くない。
この楽曲の魅力がするりと逃げていく。
全体からにじみ出る“切なさ”もうまく説明できない。

私は、財津和夫は「謎」を残したかったのでないかと思う。
「心の旅」の歌詞と同様、「青春の影」の歌詞の1番は明快だ。
意味を取り違えようがない。
ところが、一転して2番が分かりにくい。
なかでも前半と最後の2箇所にキーフレーズが置かれている。
財津和夫は“余白”を忍ばせた。
鑑賞者への贈り物か。
曲名も謎を深めるのに一役買っている。

歌詞の1番と2番にそれなりの時間が横たわっていると考えると、違った解釈ができそうだ。
すなわち、出会い、愛、別れ…
愛の掛け替えのなさと厳しさ、まっとうの難しさ…。
それでも人はときを刻み、道を歩みつづける。
財津和夫は、愛すること、生きることへの純粋な情熱を綴った、大きな悔いさえ受け入れながら…。

作者が世の中に作品を送り出せば、独り歩きする。
鑑賞者は気ままに楽曲を楽しむ。
解釈に白黒をつける必要はなかろう。
作者といえど、作品のすべてを理解しているわけでない。
それ以前に、意図が伝わるとは限らない。
そもそも作者はヒットをつくれない。
受け手(鑑賞者)のさまざまな思いが塗り込められ、作品の世界が膨らんでいった結果である。

私自身、失恋を歌った楽曲と捉えるほうがイマジネーションは広がる。
また、一層、心に染み入る。
実際、「青春の影」に接し、人をまっすぐに愛した記憶がよみがえったり、それゆえの失恋の痛手を癒されたりする方も多いのでないか。
単に結婚に至るストーリーだったら、大ヒットはなかった。
プロポーズ(求愛)ソングやウェディング(結婚式)ソングとして多用されただろうが…。

「青春の影」の圧倒的な凄みは、人により、さらにそのときどきで異なった受け止め方を、しかも何の違和感もなくできてしまうことだ。
財津和夫の眼差しは、現実の愛にも、回想の愛にも、やさしく注がれている。
人を愛するのも自分であり、人と別れるのも自分である。
それが人生…。
この楽曲には、懸命に生きる人へのおおらかな包容力がある。
世代を超えて愛されるゆえん。

「青春の影」は、深い愛情は当然として、重い責任をともなう結婚へ踏み出そうとする心情を歌いあげた。
平凡をよしとする覚悟も…。
そうしたとき、結婚に至らなかった相手との愛がよぎるかもしれない。
私たちは人生の節目に、それまでのさまざまな出来事を喜びや幸せ、悲しみや苦しみなどの記憶とともに重ね合わせる。

なお、4タイプしかない血液型を引き合いに出すと叱られそうだが、O型のよさがいかんなく発揮されている。
楽曲の底に保守的な安心感が流れる。
それが聞く者をじんわりと揺さぶる。

                       ◇

「青春の影」には、結婚披露宴で歌うのをためらわせるような深みがある。
歌うとしたら、新郎。
ほかにぜひともというなら、新郎を見守ってきた熟年カップルの男性か。

その「青春の影」がセブン−イレブンのおでんのCMで流れた。
幸福感を強調するため、歌詞が分かりやすい個所を使っている。
CMは認知の向上、販売の促進を意図しているから当然だろう。
「青春の影」が採用されたことにより、おめでたい楽曲という“お墨付き”を頂戴した。

人々が疲弊と孤独を深め、ぬくもりの感じられる楽曲を求めている。

Copyright (c)2011 by Sou Wada

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博多通りもん、福岡土産一番人気の秘密

通りもん1このブログで「博多じまん、人気の福岡土産のうまさ…明月堂」と題して、「博多通りもん」と「博多じまん」という和洋折衷の銘菓を取りあげた。
いずれも福岡市の株式会社明月堂が製造している。

⇒2011年2月18日「博多じまん、人気の福岡土産のうまさ…明月堂」はこちら。

私は先ごろ福岡で提案営業研修を行った。
通りもん2
地場企業の社長の熱意にほだされたのだ。
3泊4日の出張の帰路、新幹線博多駅構内の例の売店(「おみやげ街道博多」と判明)で「博多通りもん」と「博多じまん」を買い求めた。
妻と子どものリクエストに応えた。
実は、私もくたくたに疲れていて甘味が欲しかった。

それぞれ6個入りと決めていた。
通りもん3当日、「博多じまん」は10個入りしか置かれていなかった。
売り切れ?
私は原則としてこちらしか食べないので、むしろ好都合。
両方とも洗練されたおいしさが特徴だが、あえて言えば上品な「博多通りもん」に対して俗っぽい「博多じまん」。
通りもん4今回は写真に収めてみた。

「博多通りもん」は福岡土産のなかでも人気ナンバーワンの銘菓である。
その秘密に関しては先のブログで詳しく述べた。

                       ◇

博多じまん1私は職業講師として日本各地を訪れたが、東京を除いて圧倒的に多いのが福岡市である。
大阪や名古屋、広島と比較にならない回数、そして日数である。
私はヒコーキに乗らないので、東海道新幹線と山陽新幹線の「のぞみ」をかならず利用しており、どうも「福岡」という呼称がしっくりしない。
福岡空港を利用している人は、おそらく「博多」という呼称がしっくりしないのでないか。

博多じまん2三大祭(祭り)が「博多どんたく港まつり」「博多祇園山笠」「筥崎宮(箱崎宮)放生会」。
観光の面でも「博多」。
また、繁華街も福岡中洲というより博多中洲のほうがピンとくる。
一度クラブで遊んでみたいと思っているうちに還暦を迎える。
余談ながら博多に限らず、講演や公開セミナー、企業研修の前夜に飲んだことが一度もない。
博多じまん3ひたすら体調の維持と体力の温存に努めてきた。

福岡県福岡市は、生まれ故郷の新潟県直江津市(現上越市)を別にし、一番好きな地方都市である。
私は新幹線新横浜駅でのぞみに乗り込む際、ふるさとに戻る気分になる。
今年も合計1カ月間は滞在しそう。

やはり余談。
博多じまん4博多は、歌手のほか多くの芸能人やタレントを輩出している。
自由の風が吹き、遊びの土壌が培われている。
私が好きな「青春の影」の財津和夫。
彼は勝負をかけて博多から上京した。
そして、ついに「心の旅」のヒットを飛ばした。
この楽曲はそのときの心情と決意を歌った?

⇒2010年12月30日「チューリップ・青春の影…財津和夫の苦悩と葛藤」はこちら。

                      ◇◆◇

福岡・博多に関するブログは以下のとおり。

⇒2011年2月18日「博多じまん、人気の福岡土産のうまさ…明月堂」はこちら。

⇒2010年8月19日「石原裕次郎が愛した隠れ家…タカクラホテル」はこちら。

⇒2010年5月26日「チャリンコホステス大増殖…博多中洲」はこちら。

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プロフィール
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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

その他の役職
面白くないジョークの会会長 

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