京都と大阪でスケートリンクが新設
関空にもアイスアリーナがオープン

京都と大阪で「スケートリンク」が新設されます。
京都府宇治市の「京都アイスアリーナ(仮称)」と大阪府泉佐野市の「関空アイスアリーナ」の2か所であり、どちらも通年営業の屋内スケート場です。
同紙はその背景を明らかにしました。

全国的に眺めれば、スケート場は減少しています。
学校施設を含めたデータですが、バブル期の昭和60年の 940か所をピークに減りつづけ、平成27年に 213か所と4分の1に落ち込みました。
近畿6府県でもピークの54か所から平成27年に15か所まで減り、その後も大阪府柏原市、守口市の老舗スケート場が閉鎖しました。
リンクに氷を張る莫大な電気代に加え、老朽施設の建て替え費用が捻出できませんでした。

しかし、既存のスケート場は大勢の利用者でにぎわっています。
例えば、大阪市浪速区の「浪速アイススケート場」は冬季を除くオフシーズンはおもに競技者が利用する一般営業時間外の予約がすぐに埋まるそうです。
おそらく選手のニーズに応えきれません。
(スピードスケートは寒冷地、フィギュアスケートは都市部で人気が高いようです。)

地元選手らの活躍で競技人口も増加

背景には、バンクーバー五輪で銅メダルを獲得した高橋大輔、全日本選手権を4連覇した宮原知子、シニア1年目でブレイクした紀平梨花などの関西勢の活躍で人気が高まり、フィギュアスケートを始める人口が急増したことがあります。
(不確かですが、主要大会のテレビ視聴率は関東地区よりも関西地区のほうが高いはずです。)

日本スケート連盟によると、平成30年度のフィギュアスケート登録競技者数は5200人です。
そのうち、人口比率が16%の近畿6府県は21%を占める1112人です。
10年間の競技者数の伸び率も全国平均の21%を上回る25%です。

京都アイスアリーナ(仮称)は「近隣の民間施設が相次いで閉鎖し、リンクが足りない」という声に応えました。
関西アイスアリーナは「天候や季節に左右されない練習場所を確保したかった」としています。
(新設のスケート場は電気代の低減が徹底されています。)

なかでも関西国際空港の対岸に立地する関西アイスアリーナは海外遠征する日本選手の直前合宿に加え、海外選手の利用を見込みます。
また、東南アジアでもスケートブームが起きており、インバウンド(訪日外国人客)の需要の取り込みも目論見ます。
地元経済への波及効果も小さくないようです。

紀平梨花が引っ張る京阪神への流れ

例えば、高校野球でも高校ラグビーでも、関西がどんどん強くなっています。
スクールやクラブなど、幼少期や児童期から当該スポーツに親しめる環境が整っています。
フィギュアスケートでも練習や育成に適したスケートリンクが充実すれば、コーチと選手がおのずと集まってきます。

最近は仙台と名古屋、そして東京で目立った選手が現れていません。
神戸で坂本花織と三原舞依が頑張っています。
「京阪神」は競技者の裾野が広がり、そこから次世代が現れるでしょう。
フィギュアスケートは有力選手が京阪神のクラブに集中するかもしれません。

3月に日本で行われる世界選手権で紀平梨花が優勝を収めると、関西地区でのスケート人気に火がつくはずです。
仙台の荒川静香や名古屋の浅田真央がそうだったように、紀平梨花が京阪神への流れをつくります。

Copyright (c)2019 by Sou Wada
人気ブログランキング←応援、よろしく!