私は零細企業の経営者だ。
社長失格。
業績に無頓着で、社員に高い賃金を払うことが大好きである。

講師もコンサルタントも緩やかな意味での「教育産業」に属するが、この業界は平均所得がきわめて低い。
が、私は同業者の5割増の給料を目指してきた。
和田創研と同一規模の同業者との比較では、2倍の給料を出そうとしてきた。
同業者の集まりなどで雑談を交わした相手が呆れる。
「それでよくやっていけますね」。
やっていけるわけでなく、高額支給は喜び、そしてプライドなのだ。

和田創研は、社員に遣り甲斐のある仕事と突出した給料を提供する会社でありたいと願ってきた。
私は講演などで「顧客満足」の大切さを説いてきた。
しかし、これも言い添えているが、より大切なのは「従業員満足」である。
社員が幸せでないと、顧客を幸せにできない。
私はESを前提としてCSを追求する立場だ。

職業柄、会社からの指図や指示を待つ社員はいらない。
クライアントへのコンサルティングなどとうてい不可能である。
ゆえに、私は何も命じない。何も教えない。
「本を読むな。自分で考えろ」。
社員にそれくらいしか述べていない。

私自身は学生時代のアルバイトを除いて会社勤めの経験がないが、上からあれをやれ、これをやれと命じられるのは耐えがたい。
仕事は自分で決める。
むろん、成果責任は負う。

平たく言えば、世の中に理想とする会社がなかったので、自分が働きたいと思う職場をつくった。
それが和田創研だった。
自由かつ存分に腕を振るえる心地よさは何ものにも代えられない。
もっとも、能力の劣る人や向上意欲の薄い人にとり、これほどつらい職場はなかったようだ。

社長の私が受け取る報酬は、すべての支払いを済ませた後の金額になる。
その多寡は二の次、三の次であり、家族が何とか食べていければよい。
社員が知ったらびっくりする低額ということも珍しくない。

続きはあした。

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