民主党は政権公約が粗末だ。
日本で「マニフェスト」という言葉が一般化したのは比較的最近のことである。
政権交代の原動力となった昨夏の衆院選でのそれは空手形の乱発であり、デタラメだった。
スーパーの客寄せチラシは、数量が限定されていたとしても目玉商品を手当てしている。
しかし、民主党の票集めチラシは、裏付けもなしに目玉商品をでかでかと掲載している。
私は詐欺だと思ったので、むろん投票しなかった。

⇒2009年8月18日「カネで1票を買う…選挙戦スタート」はこちら。

⇒2009年8月19日「有権者を愚弄する選挙戦…党首胸算用」はこちら。

民主党の最大の約束事(主張)は、「国民はこれ以上のカネを出さなくても幸せになれる」だった。
それも当時の鳩山由紀夫民主党代表によれば、政権交代で即座に叶えられる。
さらに、政権公約で「あなたにカネをあげるから、わが党に1票を入れてほしい」と踏み込んだ。
民主党はもっとも露骨でえげつない選挙戦を繰り広げ、大勝利を収めた。

今回の参院選では同じやり方は通用しないと考えてか、菅直人首相(民主党代表)は不利な“争点”をぼやかす作戦に出た。
例えば、消費税に関しても党内に両方の意見があることを示唆し、無党派層の取り込みを目論む。
また、空手形はなるべく文書で残さず、口頭で済ませる。
悪知恵をつけ、手口は一段と巧妙化している。

民主党はできないと知りながら、あるいはやり遂げる覚悟もなしに、選挙に勝つためなら有権者を平気で欺く。
「脱官僚」「霞が関の大掃除」「天下り根絶」など、衆院選で強調してきた威勢のいいフレーズは1年も経たないうちに引っ込めてしまった。
もともと冗談なのだ。

自民党にも民主党にもこの国の行く末と次世代の暮らしを本気で案じ、立て直そうとする政治家は一人もいない。
日本は滅びる。

⇒2009年8月31日「民主、マニフェスト撤回も…」はこちら。

⇒2009年9月21日「鳩山内閣、わずか1年の命!」はこちら。

⇒2010年7月4日「迎合と組織票で民主党勝利…参議院選挙予想」はこちら。

以下に「子ども手当は子どもが返せ…友愛の正体」と題する2010年6月13日のブログを収める。

                      ◇◆◇

橋下徹大阪府知事が以前、子ども手当の支給に関連して「赤字国債を発行してまでカネをばらまくのは間違いだ」という趣旨の発言を行った。
私もそう思う。

私は小さな子どもがおり、子ども手当の支給は非常に助かる。
ありがたい。

おそらく私に限らず、大勢の親が救われる。
しかし、返すのは子どもである。

となると、子どもの名義で親が勝手に“教育ローン”を組むようなものだ。

彼らは未熟であり、自ら判断を行えないし、それができたとしても拒絶を選べない。
それ以前に、選挙権を持たない。

私は子どもを騙している負い目を感じる。

「子ども手当は子どもが返せ」。
民主党の主張は至って明快であり、これが「友愛」の正体である。

                      ◇◆◇

鳩山由紀夫内閣の「友愛」に関するブログは以下のとおり。

⇒2009年11月19日「現世代は友愛、次世代は憂哀」はこちら。

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